深掘り! 浮世絵の見方

12月4, 11, 18日は休館します。

開館時間:10時30分~17時30分(入館は17時まで)
入場料:一般 1000円 / 大高生 700円 / 中学生(15歳)以下 無料

・「深掘り! 浮世絵の見方」展チラシはこちら
・「深掘り! 浮世絵の見方」展作品リストはこちら

当館では入館のための日時指定予約を行っておりません。
ご希望の日時にお越しください。

浮世絵を鑑賞する際、皆さんはどのような点に注目するでしょうか?
浮世絵の多くは木版画として作られていますので、浮世絵師の筆づかいはもちろん重要ですが、木の板を彫る彫師や、紙に絵具を摺る摺師たちの卓越したテクニックを知っておくと、作品をより深く堪能することができます。また、作品の保存状態や、絵の中に記されている文字など、制作の裏側が見えてくる鑑賞の「ツボ」がいくつもあります。
 本展では、まずは押さえておきたい初歩的な視点から、浮世絵マニア向けのディープな視点まで、さまざまな浮世絵の見方を深掘りします。浮世絵をもっと深く楽しみたいという方、ぜひご覧ください。

歌川広重「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」

1 北斎のグレート・ウェーブを深掘り!

世界で最も有名な浮世絵である葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。波の動きを捉えた北斎の観察眼はもちろん、鮮やかな青い絵具や、その絵具を紙に摺る摺師のテクニックなど、浮世絵を鑑賞する上での見どころが詰まっています。「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を筆頭に、北斎や広重、歌麿たちの名品の「ワザ」を深掘りします。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

2 鑑識眼が試される?摺りの違いを深掘り!

浮世絵の多くは木版画で出来ていますので、同じ作品がたくさん存在していることになります。しかし、摺りの早いものと遅いものとを比べてみると、色や形など、同じ作品でも細かいところにさまざまな違いがあります。摺りによる細かな違いを深掘りします。

歌川広重「木曽海道六拾九次之内 須原」
※摺りによって線や色が異なる
歌川広重「木曽海道六拾九次之内 須原」
歌川広重「名所江戸百景 亀戸天神境内」
※橋の下の空の色を修正
歌川広重「名所江戸百景 亀戸天神境内」

3 マニアックな知識を深掘り!

絵の隅にある小さな余白。絵の中に記された謎の記号。言われても気がつかないようなわずかな場所に、浮世絵の制作の背景や保存状態が分かるような手がかりが隠されています。浮世絵に詳しい方でもあまり意識することのない、浮世絵のマニアックな知識を深掘りします。

豊原国周「東京花国周漫画 四 中村芝翫 民谷伊右衛門」
※見当(摺りの目印)を示す小さな余白
歌川豊国「美人夏の富士」
※歌川派の絵師たちに受け継がれるマーク
喜多川歌麿「若那屋内 しら玉」
※版元・蔦屋重三郎が刊行したことを示す版元印
喜多川歌麿「青楼七小町 若那屋内 白露」
※浮世絵を海外に輸出した「わか井のおやぢ」こと若井兼三郎の所蔵印
オンライン展覧会

本展の作品と解説をオンラインでもお楽しみいただけます。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。

入館料
一般1000円
大高生700円
中学生(15歳)以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
*10名以上のグループ、団体での来館をご検討の場合はツアーガイド及びご引率の皆様へを必ずお読みください。また20名以上の団体のお客様は、事前にお電話にて予約のお申込みをお願いいたします。ご予約のない場合は入場をお断りすることがございます。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

*他館相互割引のご案内*
チケットご購入時に下記のご提示にて100円割引いたします。

◇山種美術館 2023年2月以降にご入館の入場券半券またはオンラインチケット画面、山種メンバーズカード
◇サントリー美術館 メンバーズクラブ会員証
◇千葉市美術館 友の会会員証

※山種美術館にて本展の入場券半券をご提示いただくと2024年3月末まで100円割引にてご入館いただけます。
※サントリー美術館、千葉市美術館、山種美術館にて当館の年間パスポートをご提示いただくと2024年3月末まで100円割引にてご入館いただけます。

*割引の併用はできません
*対象券1枚につき1名様1回限り有効
*当日券ご購入時に受付にてご提示ください。購入後の割引はできません

開館日カレンダー

休館日

2023 12

休館日

4,11,18,25-31

2023 / 12

4,11,18,25-31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
プレスの方へ

本展のプレスリリースのダウンロード、掲載や取材のお申込みはこちらから。

葛飾応為「吉原格子先之図」 ―肉筆画の魅力

2023年11月1日(水)~11月26日(日)

11月6, 13, 20日は休館します。

開館時間:10時30分~17時30分(入館は17時まで)
入場料:一般 1000円 / 大高生 700円 / 中学生(15歳)以下 無料

※葛飾応為の作品は「吉原格子先之図」1点のみの展示となります。ご了承ください。

・「葛飾応為「吉原格子先之図」 ―肉筆画の魅力」展チラシはこちら
・「葛飾応為「吉原格子先之図」 ―肉筆画の魅力」展作品リストはこちら

当館では入館のための日時指定予約を行っておりません。
ご希望の日時にお越しください。

葛飾応為(生没年不詳)は江戸時代の浮世絵師で、葛飾北斎の娘でもあります。世界で十数点しか作品が確認されていないのにもかかわらず、北斎とも異なるその印象的な作風は多くの人を魅了し続けています。中でも代表作として知られる「吉原格子先之図」は、遊廓である吉原の光と闇を美しく描いた名品。本展では約3年半ぶりの出品となる同作とともに、太田記念美術館所蔵の肉筆画を多数展示いたします。
肉筆画とは、浮世絵師が筆で紙や絹などに直接描いた作品のこと。浮世絵師と彫師、摺師の協力で制作され、多くの枚数が摺られる版画とは異なり、絵師が直接仕上げる一点ものです。太田記念美術館所蔵の肉筆画コレクションは、古くは菱川師宣から喜多川歌麿、葛飾北斎、明治時代の小林清親に至るまで、浮世絵の長い歴史や幅広いジャンルを偏りなく含むことで知られています。応為の作品とともに、さまざまな絵師たちによる肉筆画の競演をお楽しみください。

葛飾応為「吉原格子先之図」

本展の見どころ

1 「吉原格子先之図」を約3年半ぶりに公開

葛飾応為の希少な作品の中でも、代表作の一つとして知られる「吉原格子先の図」を約3年半ぶりに公開。西洋画のような陰影を駆使した描写により、江戸の遊廓である吉原の夜をドラマチックに描き出した名品です。客たちが手に持つ提灯や妓楼の室内の明かりなど、いくつもの光源が画面内に描かれ、光に照らされた人々の姿が、闇の中で幻想的に浮かび上がります。美しくほどこされた色彩やグラデーションなど、応為の卓越した筆致をお楽しみください。

2 北斎・歌麿・清親 ―浮世絵師たちの生の筆致を知る

浮世絵の中でも、版画は絵師、彫師、摺師の協力で制作され、数多くの枚数が摺られました。そのため同じ題名の作品が、世界中の美術館や博物館に収蔵されていることも少なくありません。それに対して肉筆画は、北斎や歌麿、清親ら浮世絵師たちが、紙や絹に描いて仕上げた貴重な一点もの。肉筆画からは、細緻な描線、美しいグラデーションなど、絵師の生の筆致を知ることができます。ぜいたくに使われた顔料の美しさも見どころの一つです。

葛飾北斎「羅漢図」
喜多川歌麿「美人読玉章」
歌川国芳/歌川国英「浴後美人図」
小林清親「開化の東京 両国橋之図」

3 人物、風景から物語まで ―さまざまなテーマで描かれた作品を紹介

肉筆画で最もよく描かれるモチーフとして、一人立の女性を描いた、いわゆる美人画が挙げられますが、多くの絵師とジャンルを含む太田記念美術館の肉筆画コレクションの中には、美人画だけにとどまらず、幅広いテーマで描かれた作品を見出すことができます。そこで本展では、「人を描く」「市井を描く」「風景を描く」「物語を描く」という4つのテーマに分けて作品を紹介。女性の風俗の変遷から諸国の名所の様子、江戸庶民に親しまれた物語まで、さまざま視点から肉筆画の魅力をご紹介いたします。

鍬形蕙斎「桜花遊宴図」
月岡芳年「雪中常盤御前図」
歌川広重「日光山華厳ノ滝/日光山霧降ノ滝/日光山裏見ノ滝」
二代葛飾戴斗「神功皇后図」
懐月堂安度「大江山絵巻」
入館料
一般1000円
大高生700円
中学生(15歳)以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
*10名以上のグループ、団体での来館をご検討の場合はツアーガイド及びご引率の皆様へを必ずお読みください。また20名以上の団体のお客様は、事前にお電話にて予約のお申込みをお願いいたします。ご予約のない場合は入場をお断りすることがございます。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

*他館相互割引のご案内*
チケットご購入時に下記のご提示にて100円割引いたします。

◇山種美術館 2023年2月以降にご入館の入場券半券またはオンラインチケット画面、山種メンバーズカード
◇サントリー美術館 メンバーズクラブ会員証
◇千葉市美術館 友の会会員証

※山種美術館にて本展の入場券半券をご提示いただくと2024年3月末まで100円割引にてご入館いただけます。
※サントリー美術館、千葉市美術館、山種美術館にて当館の年間パスポートをご提示いただくと2024年3月末まで100円割引にてご入館いただけます。

*割引の併用はできません
*対象券1枚につき1名様1回限り有効
*当日券ご購入時に受付にてご提示ください。購入後の割引はできません

開館日カレンダー

休館日

2023 11

休館日

6,13,20,27-30

2023 / 11

6,13,20,27-30

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
プレスの方へ

本展のプレスリリースのダウンロード、掲載や取材のお申込みはこちらから。

美人画 麗しきキモノ

2023年9月1日(金)~10月22日(日)

前期 9月1日(金)~9月24日(日)
後期 9月30日(土)~10月22日(日)※前後期で全点展示替え

9月4、11、19、25-29、10月2、10、16日は休館します。

開館時間:10時30分~17時30分(入館は17時まで)
入場料:一般 800円 / 大高生 600円 / 中学生(15歳)以下 無料

「美人画 麗しきキモノ」展チラシ
「美人画 麗しきキモノ」展作品リスト

担当学芸員によるスライドトークを行います。詳細は下記をご覧ください。

当館では入館のための日時指定予約を行っておりません。
ご希望の日時にお越しください。

最新モードをまとった女性を描く「美人画」は、流行を切り取る浮世絵において重要なジャンルでした。またきものは、当時の美意識を伝えるだけでなく、作品の印象も決定づける大きな要素でもあります。江戸時代には社会の安定や各地の産業推進などを背景に、豊かな服飾文化が花開きました。様々な服飾品や技法、図案が生み出されるなか、浮世絵師たちは時流にかなった魅力的なきものを描くことで、美人画の優品を生み出していったのです。
本展では江戸前期から昭和初期にかけての作品を、前後期あわせて約130点ご紹介いたします。美人画の歴史が通観できることはもちろん、時代とともに変化する流行や着こなし、そして吉祥文様や古来愛された意匠についてもご覧いただきます。それぞれに歴史や物語を持つ模様をまとう女性たちの姿からは、日本文化の豊かさにも触れていただけることでしょう。

歌川豊春 「桜下花魁道中図」(後期展示)

楊洲周延 「真美人 十四 女学生」(前期展示)
本展の見どころ

美人画を一気見! ―名品が続々登場―

およそ250年にわたる浮世絵の美人画をご紹介する本展では、鈴木春信、喜多川歌麿、月岡芳年、伊東深水ら時代を代表する絵師たちの優品も、肉筆画も含めて数多く展示いたします。美麗にして貴重な名品の数々は必見です。どうぞお見逃しなく。

喜多川歌麿 「婦女人相十品 文読む女」(後期展示)
鈴木春信 「林屋お筆」 (前期展示)

模様をまとう・物語をまとう

きものにはあらゆる模様が表されます。そして一見、変哲のないモチーフであっても、実は吉祥を表していたり、『源氏物語』や『伊勢物語』などの王朝古典をふまえていたり、人気役者ゆかりの意匠であったりします。本展では模様の意味についても掘り下げ、画中の女性たちが模様の美しさだけでなく、それぞれの模様が持つ物語も身近に感じ楽しんだ様子もご紹介いたします。

菱川師房 「美人遊歩図」(前期展示)
溪斎英泉 「逢妓八契 富ヶ岡の時雨」(後期展示)

和装男子にもご注目

現代に劣らず江戸時代の男性たちも装うことに情熱を傾けました。浮世絵には暗い色味のきものに赤い帯をあわせる「腹切帯」と称される独特の着こなしや、輸入品である金唐革を使用した煙草入れなど男性たちの小物へのこだわりも随所に描かれています。着飾った美少年、こなれた着こなしを見せる通人、勇み肌の男性のワイルドな浴衣姿など、ファッションに表れるそれぞれの個性もご覧ください。

鳥居清長 「当世遊里美人合 叉江」(前期展示)
月岡芳年 「月百姿 烟中月」(後期展示)

着こなしを楽しむ ―粋も、ゴージャスも、可愛いも!―

江戸時代の人々の装いは、身分や年齢、職業などによって異なっていました。浮世絵でも豪華な髪飾りや趣向を凝らした衣装をまとう花魁、花柄や明るい色味でコーディネートした町娘、簪や半襟などの小物使いが洒落ている芸者など、異なる魅力が描き出されています。それぞれの工夫が光る装いから、着こなしのテクニックを盗んで見るのも楽しいかもしれません。

歌川国貞 「今世斗計十二時 未の刻 日ノ八ツ時」(後期展示)
溪斎英泉 「中万字屋内賎の尾」(前期展示)
橋口五葉 「紅筆持てる女」(後期展示)
イベント

学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日時2023年9月6日(水) 11:00
2023年9月12日(火) 11:00
2023年9月21日(木) 11:00
2023年10月3日(火) 11:00
2023年10月11日(水) 11:00
2023年10月19日(木) 11:00  各回30分程度 定員50名
会場太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法10:30より美術館受付にて整理券を配布します。展覧会入場券ご購入時にお申し出ください。(お申し出のない場合整理券はお渡ししません)
聴講には「美人画 麗しきキモノ」展の当日入場券と整理券が必要です。
整理券は展覧会にご入場の方1名につき1枚まで。
入館料
一般800円
大高生600円
中学生(15歳)以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
*10名以上のグループ、団体での来館をご検討の場合はツアーガイド及びご引率の皆様へを必ずお読みください。また20名以上の団体のお客様は、事前にお電話にて予約のお申込みをお願いいたします。ご予約のない場合は入場をお断りすることがございます
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

*きもの割引のご案内*
会期中きもの(浴衣含む)を着てご来館された方は入場料を100円割引いたします。
チケットご購入時に受付にてお申し出ください。

*他館相互割引のご案内*
チケットご購入時に下記のご提示にて100円割引いたします。

◇山種美術館 2023年2月以降にご入館の入場券半券またはオンラインチケット画面、山種メンバーズカード
◇サントリー美術館 メンバーズクラブ会員証
◇千葉市美術館 友の会会員証

※山種美術館にて本展の入場券半券をご提示いただくと2024年3月末まで100円割引にてご入館いただけます。
※サントリー美術館、千葉市美術館、山種美術館にて当館の年間パスポートをご提示いただくと2024年3月末まで100円割引にてご入館いただけます。

*割引の併用はできません
*対象券1枚につき1名様1回限り有効
*当日券ご購入時に受付にてご提示ください。購入後の割引はできません

開館日カレンダー

休館日

2023 9

休館日

4,11,19,25-29

2023 / 9

4,11,19,25-29

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2023 10

休館日

2,10,16,23-31

2023 / 10

2,10,16,23-31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
プレスの方へ

本展のプレスリリースのダウンロード、掲載や取材のお申込みはこちらから。

歌川広重 山と海を旅する

2023年8月1日(火)~8月27日(日)

8月7, 14, 21日は休館します。

開館時間:10時30分~17時30分(入館は17時まで)
入場料:一般 800円 / 大高生 600円 / 中学生以下 無料

・「歌川広重 山と海を旅する」展チラシはこちら
・「歌川広重 山と海を旅する」展作品リストはこちら

担当学芸員によるスライドトークを行います。詳細は下記をご覧ください。

当館では入館のための日時指定予約を行っておりません。
ご希望の日時にお越しください。

風景画の第一人者として、幕末に庶民の人気を得た浮世絵師、歌川広重(1797~1858)。広重が江戸の名所とともに盛んに描いたのが、諸国の山や海などの自然を題材にした作品です。広重は若い時期から、江戸から遠く離れた東海道の名所などを題材にしていますが、特に40代頃からは甲州や房総など、さまざまな場所へ旅に出たことが知られ、旅先で自然を写した経験が以降の作品に反映されていると考えられています。
本展では山と海をキーワードに、広重が晩年に手掛けた揃物「山海見立相撲」や、「六十余州名所図会」をはじめ、よく知られる名品から展示されることの少ない作品まで、幅広く展観をいたします。
展示ではあわせて、広重が実際に現地を訪れた名所や、既存の地理書の挿絵をアレンジして描いた名所など、その作品制作の様子についても紹介。また険しい山に建つ神社、海上の大鳥居など、各地の山と海に根付いたさまざまな信仰の形についても、その作品から読み解きます。浮世絵に描かれた絶景を、旅をする気分で楽しみながら、広重の画業をもっと深く知ることができる展覧会です。

歌川広重「木曽路之山川」

本展の見どころ

1 日本の山と海の美をもとめた傑作「山海見立相撲」全20図を一挙公開

歌川広重は晩年、諸国の風景、特に山や海を題材にした作品を数多く手掛けています。中でも「山海見立相撲」はまさに山と海を題名に冠したもので、安政5年(1858)9月にコレラで亡くなった広重が、その直前に手掛けた絶筆のひとつとも言えるシリーズです。本展では、同じく最晩年に描かれた「名所江戸百景」「冨士三十六景」などと並ぶ、広重渾身のシリーズ全20図を一挙公開。全図公開は国内で初めての機会となります。ほかにも「六十余州名所図会」をはじめ、広重が描いた諸国の風景を多数紹介いたします。

歌川広重「山海見立相撲 越中立山」
歌川広重「阿波鳴門之風景」
歌川広重「冨士三十六景 甲斐犬目峠」
歌川広重「五十三次名所図会 十四 原 あし鷹山不二眺望」
歌川広重「冨士三十六景 駿河薩タ之海上」

2 広重はその絶景を見たか―作品の制作過程を読み解く

広重は生涯に幾度も諸国への旅に出ました。甲州や房総などを旅した際には広重は日記を残しており、実際に訪れた場所でのスケッチや体験をもとに、多くの作品を描いたと考えられています。一方で、広重は淵上旭江『山水奇観』や谷文晁『名山図譜』など、既存の地理書などの挿絵をアレンジして描くことも盛んに行いました。美しい風景画を生み出すために広重が行っていた様々な工夫を、作品や資料とともに読み解きます。

歌川広重「山海見立相撲 讃岐象頭山」
谷文晁が諸国の山を描いた『名山図譜』の図を、広重が典拠にしたと考えられています。
歌川広重「甲陽猿橋之図」
広重は天保12年(1841)に甲府を訪れた際に猿橋へ立ち寄り、現地でスケッチをしたと伝えられています。

3 大自然に根ざしたさまざまな信仰を紹介

広重が描いた諸国の山や海の景色の中には、しばしば神社や寺の境内が描かれているのを見つけることができます。急峻な山や、海に面した岬など、大自然の絶景は、古くから信仰の対象となりました。富士信仰や大山信仰をはじめ、江戸時代のさまざまな信仰を広重の絵を通して紹介します。

歌川広重「山海見立相撲 相模大山」
歌川広重「六十余州名所図会 上野 榛名山雪中」

オンライン展覧会

本展の作品と解説をオンラインでもお楽しみいただけます。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。

イベント

学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日時2023年8月3日(木) 11:00 中止
2023年8月9日(水) 11:00
2023年8月18日(金) 11:00  各回30分程度 定員50名
会場太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法10:30より美術館受付にて整理券を配布します。展覧会入場券ご購入時にお申し出ください。(お申し出のない場合整理券はお渡ししません)
聴講には「歌川広重 山と海を旅する」展の当日入場券と整理券が必要です。
整理券は展覧会にご入場の方1名につき1枚まで。
入館料
一般800円
大高生600円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
*10名以上のグループ、団体での来館をご検討の場合はツアーガイド及びご引率の皆様へを必ずお読みください。また20名以上の団体のお客様は、事前にお電話にて予約のお申込みをお願いいたします。ご予約のない場合は入場をお断りすることがございます。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー

休館日

2023 08

休館日

7,14,21,28-31

2023 / 08

7,14,21,28-31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
プレスの方へ

本展のプレスリリースのダウンロード、掲載や取材のお申込みはこちらから。

ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画

2023年6月3日(土)~7月26日(水)

前期 6月3日(土)~6月28日(水)
後期 7月1日(土)~7月26日(水)※前後期で全点展示替え

6月5、12、19、26、29、30、7月3、10、18、24日は休館します。

開館時間:10時30分~17時30分(入館は17時まで)
入場料:一般 1000円 / 大高生 700円 / 中学生以下 無料

「ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画」展チラシ
「ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画」展作品リスト

担当学芸員によるスライドトークを行います。詳細は下記をご覧ください。

当館では入館のための日時指定予約を行っておりません。
ご希望の日時にお越しください。

フランス・パリに生まれたポール・ジャクレー(1896~1960)は、3歳の時に来日し、64歳で亡くなるまで日本で暮らしました。昭和9年(1934)、38歳の頃から、南洋やアジアで暮らす人々を描いた木版画を続々と刊行します。昭和前期は、絵師、彫師、摺師の協同作業による「新版画」が盛んとなった時期でしたが、さまざまな国の老若男女が暮らす姿を鮮やかな色彩で描いたジャクレーの作品は、当時の新版画の中でも異彩を放っています。本展覧会では、ジャクレーが挑んだ新版画の全貌をご紹介いたします。

ポール・ジャクレー「貝を持つファララップの女」(個人蔵)、昭和10年(1935) 
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 E5060 後期展示

ポール・ジャクレー「打ち明け話の相手、連作「満州宮廷の王女たち」より」(個人蔵)、昭和17年(1942) 
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 E5060 前期展示
ポール・ジャクレー「真珠、満州」(個人蔵)、昭和25年(1950) 前期展示

ポール・ジャクレー「オウム貝、ヤップ島」(個人蔵)、昭和33年(1958) 後期展示
本展の見どころ

ジャクレーの新版画、全162点を首都圏で初めて展示

本展では、ジャクレーの新版画、全162点を前期と後期に分けて展示します。全162点が紹介されるのは、首都圏では初めての試みです。

ポール・ジャクレー「チャモロの女ー緑、連作「虹」より」(個人蔵)、昭和9年(1934) 
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 E5060 前期展示
ポール・ジャクレー「北風、韓国」(個人蔵)、昭和28年(1953) 後期展示

鮮やかな色彩で描かれた南洋やアジアの人々

ジャクレーは、サイパン島やヤップ島といったミクロネシアの人々、あるいは、日本、アイヌ、朝鮮、中国、満州といったアジアの人々を、色彩豊かに描いています。赤や水色、黄色や紫といった華やかな色がぶつかり合うジャクレーの新版画は、デジタルの色彩に親しむ現代の私たちに新鮮な驚きを与えることでしょう。

ポール・ジャクレー「愛妾、連作「満州宮廷の王女たち」より」(個人蔵)、昭和17年(1942) 
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 E5060 後期展示
ポール・ジャクレー「オロール島の少年、東カロリン」(個人蔵)、昭和15年(1940) 
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 E50 前期展示

新版画において異彩を放つ存在

新版画とは、大正から昭和にかけて、絵師、彫師、摺師の協同作業によって制作された木版画のことです。通常は版元が制作を主導しますが、ジャクレーは自らが彫師と摺師を指揮する私家版という珍しい手法を取ることで、独自の芸術性を追求しました。戦後は、マッカーサーをはじめとする日本駐在のアメリカ軍関係者から好評を博し、流通の面でも、他の新版画の絵師たちとは異なる路線を築きました。

ポール・ジャクレー「太平洋の神秘、南洋」(個人蔵)、昭和26年(1951) 前期展示
ポール・ジャクレー「檳榔の実、ヤップ島」(個人蔵)、昭和15年(1940) 
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 E5060 後期展示

江戸の浮世絵の系譜に連なるジャクレー

幼い頃から日本に暮らしたジャクレーは、浮世絵や歌舞伎、義太夫といった伝統的な日本文化に精通していました。特に浮世絵は、幼い頃から収集や模写をしています。また、10代の頃には、月岡芳年の孫弟子にあたる池田輝方・蕉園夫妻から日本画を学んでおり、ジャクレーは江戸の浮世絵の系譜に連なっていると言えるでしょう。

ポール・ジャクレー「清馨さん」(個人蔵)、昭和10年(1935) 
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 E5060 前期展示
ポール・ジャクレー「あめあがり、ヤップ、西カロリン」(個人蔵)、昭和13年(1938)
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 E5060 前期展示
後援

在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ

イベント

学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日時2023年6月13日(火) 11:00
2023年6月21日(水) 11:00
2023年7月7日(金) 11:00
2023年7月13日(木) 11:00
2023年7月19日(水) 11:00  各回30分程度 定員50名
会場太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法10:30より美術館受付にて整理券を配布します。展覧会入場券ご購入時にお申し出ください。(お申し出のない場合整理券はお渡ししません)
聴講には「ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画」展の当日入場券と整理券が必要です。
整理券は展覧会にご入場の方1名につき1枚まで。
入館料
一般1000円
大高生700円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
*10名以上のグループ、団体での来館をご検討の場合はツアーガイド及びご引率の皆様へを必ずお読みください。また20名以上の団体のお客様は、事前にお電話にて予約のお申込みをお願いいたします。ご予約のない場合は入場をお断りすることがございます
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

*リピーター割引のご案内*
会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示にて200円割引いたします(他の割引との併用不可)

*他館相互割引のご案内*
チケットご購入時に下記のご提示にて100円割引いたします。

◇山種美術館 2023年2月以降にご入館の入場券半券またはオンラインチケット画面
◇サントリー美術館 メンバーズクラブ会員証
◇千葉市美術館 友の会会員証

※山種美術館にて本展の入場券半券をご提示いただくと2024年3月末まで100円割引にてご入館いただけます。
※サントリー美術館、千葉市美術館にて当館の年間パスポートをご提示いただくと2024年3月末まで100円割引にてご入館いただけます。

*割引の併用はできません
*対象券1枚につき1名様1回限り有効
*当日券ご購入時に受付にてご提示ください。購入後の割引はできません

開館日カレンダー

休館日

2023 6

休館日

1,2,5,12,19,26,29,30

2023 / 6

1,2,5,12,19,26,29,30

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2023 7

休館日

3,10,18,24,27-31

2023 / 7

3,10,18,24,27-31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
プレスの方へ

本展のプレスリリースのダウンロード、掲載や取材のお申込みはこちらから。

江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし

2023年4月1日(土)~5月28日(日)

前期 4月1日(土)~4月25日(火)
後期 4月29日(土・祝)~5月28日(日)※前後期で全点展示替え

4月3、10、17、24、26-28、5月1、8、15、22日は休館します。

開館時間:10時30分~17時30分(入館は17時まで)
入場料:一般 1200円 / 大高生 800円 / 中学生以下 無料

「江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし」展チラシ
「江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし」展作品リスト

当館では入館のための日時指定予約を行っておりません。
ご希望の日時にお越しください。

ふり向けば、猫 ―猫と過ごす江戸ライフ

浮世絵に登場する様々な動物のなかでも、ペットとして最も多く描かれたのは猫でした。さらに猫は、踊ったり学校に通ったりする擬人化された猫、化け猫に、メス猫の一代記や、ネズミ除けのお札としてまで、あらゆる姿で表現されています。
本展では、歌川国芳の名品はじめ、歌川広重や月岡芳年らの優品、さらには子ども向けの「おもちゃ絵」など、猫を題材とした多彩な作品をご覧いただきます。かわいらしくてユーモラス、時に神秘的な浮世絵の猫の魅力を存分にお楽しみください。

歌川国芳「流行猫の曲鞠」(前期)個人蔵

歌川広重「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」(後期)太田記念美術館蔵
歌川国芳「山海愛度図会 七 ヲゝいたい 越中滑川大蛸」(後期)個人蔵
歌川芳藤「小猫を集め大猫とする」(後期)個人蔵

もしかしてネコ展史上最強!? ―国芳の名作大集合

本展では魅力的な猫の浮世絵を描いた歌川国芳の作品を多数ご覧いただけます。前期には、国芳作品のなかでも人気の「猫の当字」シリーズ全5点を、また後期では貴重な名作「其まゝ地口 猫飼好五十三疋 上中下」と「たとゑ尽の内」をともに展示いたします。国芳の名品が大集合する、かつてない、貴重で贅沢な機会をお見逃しなく。

歌川国芳「其まゝ地口 猫飼好五十三疋 上中下」(後期)ギャラリー紅屋蔵
歌川国芳「猫の当字 かつを」(前期)個人蔵
歌川国芳「鼠よけの猫」(後期)ギャラリー紅屋蔵

猫の物語を楽しむ

現代では猫の登場する漫画などが人気ですが、江戸時代も猫が活躍する説話や小説、歌舞伎の演目が好評を博していました。本展では、化け猫はもちろん、武道の極意を説く古猫や、夫の仇を討ち御殿奉公にあがるなど、波乱の猫生を送った「おこま」や「おたま」を主人公とした小説まで、猫が主役や重要な役を担う作品をご紹介いたします。江戸っ子に愛された「猫の物語」をご覧ください。

歌川国芳「五十三次之内 岡崎の場」個人蔵

江戸の猫ブーム ―メディアミックスをしかける

時は天保12年(1841)、国芳が売り出したのは猫を役者の顔で描いた団扇絵「猫の百面相」。これが人気となると、その団扇を用いた歌舞伎が上演されます。またこの頃国芳は、当時話題の曲鞠の芸人を猫に置き換えた擬人化作品、さらには翌年刊行の始まる『朧月猫の草紙』の挿絵も手掛けます。国芳が集中して猫の擬人化作品を生み出した天保12、13年制作の作品も多数ご紹介し、江戸の「猫の浮世絵」ブームもご覧いただきます。

歌川国芳「猫の百面相 (荒獅子男之助ほか)」(前期)個人蔵
歌川国芳『朧月猫の草紙』6編上下表紙(前期)個人蔵

猫と遊ぶ ―おもちゃ絵の世界

「おもちゃ絵」とは子ども向けの浮世絵で、幕末から明治にかけてさかんに作られました。猫の世界を題材にしたものも多く、当時も猫は子どもたちに人気だったようです。猫たちは銭湯に行ったり、おそばを食べたり、人力車に乗ってみたり――。今回ご紹介する猫のおもちゃ絵はたっぷり約40点。その愛らしい世界に遊んでみてはいかがでしょうか。

歌川芳藤「新板猫の温泉」(前期)個人蔵
作者不詳「大なまづ ねこのたハむれ」(後期)個人蔵

入館料
一般1200円
大高生800円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
*10名以上のグループ、団体での来館をご検討の場合はツアーガイド及びご引率の皆様へを必ずお読みください。また20名以上の団体のお客様は、事前にお電話にて予約のお申込みをお願いいたします。ご予約のない場合は入場をお断りすることがございます。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

*リピーター割引のご案内*
会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示にて200円割引いたします。

*他館相互割引のご案内*
チケットご購入時に下記のご提示にて100円割引いたします。

◇山種美術館 2023年2月以降にご入館の入場券半券またはオンラインチケット画面
◇サントリー美術館 メンバーズクラブ会員証
◇千葉市美術館 友の会会員証

※山種美術館にて本展の入場券半券をご提示いただくと2024年3月末まで100円割引にてご入館いただけます。
※サントリー美術館、千葉市美術館にて当館の年間パスポートをご提示いただくと2024年3月末まで100円割引にてご入館いただけます。

*割引の併用はできません
*対象券1枚につき1名様1回限り有効
*当日券ご購入時に受付にてご提示ください。購入後の割引はできません

開館日カレンダー

休館日

2023 04

休館日

3,10,17,24,26-28

2023 / 04

3,10,17,24,26-28

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2023 05

休館日

1,8,15,22,29-31

2023 / 05

1,8,15,22,29-31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
プレスの方へ

本展のプレスリリースのダウンロード、掲載や取材のお申込みはこちらから。