Ohara Koson

Planned Exhibition
2019, February 1st-March 24th
[1st Term] February 1st-24th

[2nd Term] March 1st-24th

※Works change between two terms
 
Will be closed on February 4th, 12th, 18th, 25th-28th, March 4th, 11th, 18th.

The hottest artist, Ohara Koson.

Ohara Koson (1877-1945) was a kacho-ga artist active from the end of the Meiji period and through the Taisho and Showa periods. Although there are many collectors of Koson and exhibitions are held abroad, he is hardly known in Japan. However, in September 2018, an exhibition “Ohara Koson – An Eden of Flowers and Birds” was held at Chigasaki City Museum of Art. Moreover, an E-Television program showcasing Koson and the exhibition was broadcast, and suddenly he has been drawing attention. In addition, a string of books about his art will be published, and in the current booming Japanese-style art world, without doubt, he is an artist on the edge of breaking through, and set to rise in popularity in his native Japan.

Dancing Fox [1st Term]

Domestic Geese [1st Term]

Horned Owl and Moon [2nd Term]

Are they really woodblock prints? Yes, charmingly portrayed animals as delicate as watercolors…

The major characteristic of Koson’s works is how he so elegantly expressed natural motifs such as birds, animals and flowers using woodblock print techniques. Actually, at first glance his works do not look like woodblock prints. However, based on the ukiyo-e print skills honed since the Edo period, he succeeded to express pale and beautiful colors as if they were watercolor paintings. His works can be loved not only by animal lovers, but also by everyone who appreciates art.

Monkey and Bee [1st Term]

Goshawk and Sparrow [2nd Term]

Sparrow on Flowering Lotus [1st Term]

The first exhibition introducing the complete world of Koson in Tokyo

This is the first exhibition to introduce the complete world of Ohara Koson in Tokyo. We will exhibit about 150 pieces, including works with the seal of Koson published by Matsuki Heikichi from the end of the Meiji period to the Taishō period, and shin-hanga works with the seal of Shōson published by Watanabe Sōzaburō in the early Shōwa period. In addition, hand-painted base pictures and test prints allowing a deeper understanding of Koson’s production process will be introduced. The exhibits will be changed between the first term and the second term.

Crows in Moonlit Night [2nd Term]

Cat and Paper Lantern [2nd Term]

Egrets in Snow [2nd Term]

Bees and Hydrangea [1st Term]

Admission
Adult 700 yen
University and High school students 500 yen
Junior High School Students and below Free
Calendar

Closed

      • 2019 February
        SUN MON TUE WED THU FRI SAT
        1 2
        3 4 5 6 7 8 9
        10 11 12 13 14 15 16
        17 18 19 20 21 22 23
        24 25 26 27 28
      • 2019 March
        SUN MON TUE WED THU FRI SAT
        1 2
        3 4 5 6 7 8 9
        10 11 12 13 14 15 16
        17 18 19 20 21 22 23
        24 25 26 27 28 29 30
        31

かわいい浮世絵 おかしな浮世絵

 企画展
2019年1月5日(土)~1月27日(日)
 
1月7、15、21日は休館します。

 
 

はじめに

歌川広重「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」

江戸時代の浮世絵には、美しい遊女や格好の良い役者たち、人気の名所など、当時の人々が夢中になった、さまざまな流行や風俗が数多く描かれています。しかし、江戸時代から150年以上たった現在、当時の人と全く同じ感覚で浮世絵を楽しむのは、たとえ予備知識があったとしても、なかなか難しいことかもしれません。では、「かわいい」や「おかしい」といったキーワードで、浮世絵を見てみたらいかがでしょうか。浮世絵には、今の目からみても素直に「かわいい!」と口に出してしまうような動物や子どもたち、あるいは思わず吹き出してしまうような奇妙な生物、ドタバタ喜劇を繰り広げるユーモラスな人たちがたくさん登場します。理屈抜きで楽しいこれらの絵を見るとき、私たちは江戸時代の人たちとほぼ同じ感覚を共有できるのかも知れません。ぜひ気楽な心持ちで、たくさんの「かわいい」「おかしな」浮世絵をお楽しみください。

かわいい生き物・おかしな生き物

かわいい猫や犬、うさぎ、鳥、ユーモラスな狸や狐、思わず笑ってしまう架空の不思議な生物たちなど、浮世絵にはたくさんの「かわいい」「おかしな」生き物が登場します。猫や犬はもちろん、蛸や蛙、はたまた酸漿(ほおずき)などの植物まで、なんでも擬人化してしまうのも浮世絵師の得意とするところです。

以十「沢瀉に鷺」

歌川芳員「東海道五十三次内 大磯 をだハらへ四リ」

歌川芳藤「髪切りの奇談」

歌川国芳「ほふづきづくし 八そふとび」

かわいい子供たち

鈴木春信「風流五色墨 素丸」

無邪気な子供の姿は、今も昔もかわらず、人々を微笑ましい気持ちにさせてくれます。ここでは浮世絵に描かれた、おもちゃで遊んだり、お祭りを楽しんだり、時にだだをこねるかわいらしい子供たちの姿をご紹介します。

渓斎英泉「納涼之図」

おかしな人々

浮世絵では戯画と呼ばれる、面白おかしい題材を描いたジャンルが人気を博しました。ユーモラスな人物たちが繰り広げるドタバタの喜劇や、よく知られた古典の物語のパロディなど、今の目から見てもばかばかしく、脱力しそうな作品が多くの絵師によって描かれています。

歌川広重「東海道五十三対 二川」

歌川広景「江戸名所道化尽 七 新シ橋の大風」

かわいい!奇抜?江戸のデザイン

浮世絵に描かれた着物の模様には、しばしば動物などのかわいらしいモチーフを見つけることができます。また時には、ちょっと驚くようなおかしなモチーフが描かれていることも……。ここでは、浮世絵に見られる「かわいい」「おかしな」デザインを見てみましょう。

歌川国貞「江戸名所百人美女 東本願寺」

歌川国貞「当世美人合 かこゐ」

見どころの作品

作者不詳「雷光の図説 豊年魚」

                         

目に飛び込んでくるのは、下段に描かれた怪獣でしょう。有名な映画の某怪獣を彷彿とさせますが、どこか出来そこないのような、珍妙な雰囲気が笑いを誘います。実はこの怪獣、慶応年間に淀川に現れたと伝えられる大魚。画中の説明によると、背筋は黒く苔が生え、目は鏡のよう、形はイタチ、足は亀のようで、体長はおよそ7尺5寸(約2.3メートル)、体重は二十貫目(約75キログラム)あったということです。また、以前にもこの魚が現れたことがあり、その時は大豊年が続いたことから、今回もその吉兆に違いないとし、豊年魚と名付けられたとあります。見た目はかなり怪しいですが、実はおめでたい魚のようです。ちなみに上図は、慶応2年に生じた人魂のような物体が、実は雷光であったと図解しています。

イベント
学芸員によるスライドトーク
展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。
日程 2019年1月10日(木)、14日(月・祝)、23日(水)
時間 14:00~(40分程度)※14日(月・祝)のみ11:00~、14:00~、15:00~の3回開催します。
場所 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法 申込不要 参加無料(要入場券)
入館料
一般 700円
大高生 500円
中学生以下 無料
※障碍者手帳をご提示いただくと、ご本人様とお付添1名まで、入館料から100円割引いたします。(割引の併用はできません) ※中学生以上の学生は学生証をご提示ください。
開館日カレンダー
休館日    

小原古邨

 企画展
2019年2月1日(金)~3月24日(日)
前期 2月1日(金)~24日(日)
後期 3月1日(金)~24日(日)
※前後期で全点展示替え
 
2月4、12、18、25~28、3月4、11、18日は休館します。

今、注目すべき絵師、小原古邨。

小原古邨(1877~1945)は、明治末から大正、昭和にかけて活躍した花鳥画の絵師です。
海外では、多くのコレクターがおり、展覧会も開催されているのですが、日本ではほとんど紹介されることがなかったため、知る人ぞ知る存在でした。
しかし、2018年9月に、茅ヶ崎市美術館で「小原古邨展―花と鳥のエデン―」が開催。それを契機に10月7日にはEテレのテレビ番組「日曜美術館」で特集が放送され、にわかに注目が集まるようになりました。さらに画集も続々と刊行されています。
日本美術ブームが続く昨今ですが、これから新たに人気となるに違いない、今、注目すべき絵師なのです。

「踊る狐」(個人蔵)前期

「鵞鳥」(個人蔵)前期

「月に木菟」(個人蔵)後期

本当に木版画!? まるで水彩画のような愛らしい動物たち。

小原古邨の作品の特徴は、可愛らしい鳥や動物、花といった身近な自然を、木版画で表現している点です。一見したところ、江戸時代の浮世絵と同じ木版画には見えません。しかし、伝統的な浮世絵版画の技術を踏まえつつ、明治から昭和の時代の好みに合わせ、まるで水彩画のような、淡く美しい色合いを実現させているのです。動物好きはもちろん、誰からも愛される作品ばかりと言えるでしょう。

「猿と蜂」(個人蔵)前期

「鷹と温め鳥」(太田記念美術館蔵)後期

「蓮に雀」(個人蔵)前期

小原古邨の全貌を紹介する、東京都初の展覧会。

本展は、東京都で初めて開催される、小原古邨の全貌を紹介した展覧会となります。明治末から大正にかけて、松木平吉の元から刊行された古邨落款の木版画や、昭和前半に、渡邊庄三郎の元から刊行された祥邨落款の新版画を展示。さらに、制作工程が分かる、肉筆の下絵や試し摺りも合わせて紹介します。展示点数は、前期と後期を合計して約150点です(前期と後期で全点展示替え)。
なお、茅ヶ崎市美術館にて2018年9月9日~11月4日に開催された「小原古邨展 花と鳥のエデン」とは、出品作品が異なる別内容の展覧会となっています。

「月夜の烏」(渡邊木版美術画舗蔵)後期

「猫と提灯」(渡邊木版美術画舗蔵)後期

「雪中群鷺」(渡邊木版美術画舗蔵)後期

「紫陽花に蜂」(渡邊木版美術画舗蔵)前期

イベント
学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日程 2019年2月5日(火)、11日(月・祝)、21日(木)、3月1日(金)、12日(火)、21(木・祝)
時間 14:00~(40分程度) ※2月21日(木)に限り、14:00~と15:00~の2回開催します。
場所 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法 申込不要 参加無料(要入場券)
特別講演会
演題 小原古邨 ―いのちきらめく瞬間
日時 2019年3月9日(土)14:00~15:30
講師 小池満紀子(中外産業原安三郎コレクション担当)
会場 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
定員 80名
参加方法 当日12時より、B1視聴覚室前にて整理券を配布します(お1人さま1枚) 
参加無料(要入場券)
入館料
一般 700円
大高生 500円
中学生以下 無料
開館日カレンダー

休館日

花魁ファッション

 企画展
2018年11月2日(金)~12月20日(木)
前期 11月2日(金)~11月25日(日)
後期 11月30日(金)~12月20日(木)
※前後期で全点展示替え
 
11月5、12、19、26~29、12月3、10、17日は休館します。

 

 


歌川豊広「観桜酒宴図」(後期)

遊興の別天地として繁栄した吉原。そのトップに君臨したのが花魁(おいらん)でした。花魁は現代でも繰り返し映画や漫画のヒロインになるなど、その浮世離れした魅力は時代を超えて人々を惹きつけています。

花魁と言えばまず華やかなファッションが思い浮かびますが、江戸時代、花魁となるには美貌だけでなく、教養を備え、芸事にも秀でていることが必須でした。花魁のもとへは、武士や裕福な町人をはじめ当時の著名人も多く通い、彼らを中心として、吉原は文化サロンの様相を呈することもありました。セレブたちとの華麗な交流も注目の的ともなったことでしょう。一方で、彼女たちの置かれた過酷な境遇を理解する江戸の人々は、遊里を「苦界(くがい)」とも呼び、その中で生きる花魁たちを修行する達磨や悟りの境地に近い普賢菩薩に例えることもありました。

本展では花魁のファッショナブルな装いや、日常の生活を捉えた作品をご紹介いたします。江戸文化のなかで独特の存在感を示す花魁。その魅力に、浮世絵を通して触れてみてください。

 

ゴージャスなファッション

美しくあることが何よりも求められた花魁。いくつもの櫛や簪を挿したゴージャスな髪型、季節ごとに変わる贅を尽くした衣装、前結びの帯や三つ歯の下駄など、浮世絵には独特のファッションが描かれています。時代によって流行は変わりますが、遊女の姿は常にその先端であり続けました。一般の女性にとってそのファッションは取り入れ易いものではありませんでしたが、最新のモードに身を包む花魁たちの姿は大いに魅力的だったと言えるでしょう。


鳥高斎栄昌「扇屋見世略 あやこし はしたて はなひと」(前期)


歌川国貞「松葉屋内代々山 かけを にしき」(後期)


歌川国貞「当世美人合 おゐらん」(前期)


溪斎英泉「傾城江戸方格 水道橋 丁子屋内唐歌」(前期)

 

郭(くるわ)でくらす


喜多川歌麿「美人読玉章図」(後期)

食い入るように手紙を読み、かいがいしく客の世話をする。またある時はヤキモチを焼き、朋輩たちとくつろぐ。そんな花魁たちの人間らしい表情も、浮世絵には描き出されています。

客の目に触れない時間も含めて、遊女たちが遊里の中でいかに過ごしたのかをご紹介いたします。


喜多川歌麿「青楼十二時 続 卯ノ刻」(前期)


喜多川歌麿「青楼七小町 大文字屋内多賀袖」(後期)

 

肉筆画の世界


宮川長春「美人立姿図」(前期)

肉筆美人画は、浮世絵において最も早くから手がけられてきた人気のジャンルです。なかでも遊女を描く作品は、ひときわ豪華で丁寧な彩色の作品も多く、時に大名などの貴顕に所有されることもありました。

本展では宮川長春「美人立姿図」や喜多川歌麿「美人読玉章図」、鳥文斎栄之「吉原十二時絵巻」など、太田記念美術館が所蔵する肉筆画の優品を多数展示いたします。版画とは異なる、緻密で、時に洒脱な肉筆美人画の世界をご堪能ください。


鳥文斎栄之「吉原十二時絵巻」(後期)

見どころの作品

歌川豊春「桜下花魁道中図」(前期)

                         

満開の桜の下では、花魁道中が行われています。中央の花魁は、黒地に若松模様の品あるデザインの仕掛(しかけ)を羽織りますが、下に着た赤地に桜花を散らした間着(あいぎ)との対比が大変艶やかです。ところで、彼女を取り巻く女性たちは誰なのでしょうか。

左右の少女は妹分の禿(かむろ)。その後ろ、向かって右は振袖新造(ふりそでしんぞう)と呼ばれる、禿よりは年長の遊女見習いです。左はおそらく引退した遊女が務めた番頭新造(ばんとうしんぞう)。花魁の身の回りの世話をはじめ、客を魅了する手練手管の手ほどきもしました。

禿は花魁とお揃いの、また新造も赤地に若松という花魁と関係するデザインの振袖を着ており、実に華やかです。そもそも数人を引き連れ引手茶屋に客を迎えに行く花魁道中は格の高いごくわずかな遊女にしか許されなかったもの。人気ぶりが絶頂期にある花魁ならではのものと言えるでしょう。

イベント
学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日程 2018年11月6日(火)、10日(土)、16日(金)、30日(金)、12月11日(火)
時間 14:00~(40分程度)
会場 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法 申込不要 参加無料(要入場券)

 

トークイベント

 

演題 吉原遊廓を歩く―江戸と平成
日時 2018年11月24日(土) 14:00~15:30
内容 平成の現在でも、わずかながらに江戸の名残をとどめる吉原遊廓。江戸時代の浮世絵と現在の様子のスライドを交えながら、吉原遊廓の面影を追います。ゲストは、日本で唯一の遊廓専門書店であるカストリ書房の店主で遊廓家の、渡辺豪さんです。
ゲスト 渡辺豪(遊廓家・カストリ書房店主)
会場 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法 申込不要(先着順) 参加無料(要入場券)
入館料
一般 700円
大高生 500円
中学生以下 無料

※障碍者手帳をご提示いただくと、ご本人様とお付添1名まで、入館料から100円割引いたします。(割引の併用はできません)

※中学生以上の学生は学生証をご提示ください。

開館日カレンダー

休館日

   

没後160年記念 歌川広重

特別展
2018年9月1日(土)~10月28日(日)
前期 9月1日(土)~24日(月祝)
後期 9月29日(土)~10月28日(日)
※前後期で全点展示替え
 
9月3日、10日、18日、25日~28日、10月1日、9日、15日、22日は休館します。
 

 


歌川広重「月に雁」(太田記念美術館蔵)前期

日本各地の風景を叙情豊かに描いた浮世絵師、歌川広重(1797~1858)。「東海道五拾三次之内」や「名所江戸百景」といった代表作は、日本のみならず海外でも広く知られています。今年2018年は、広重が亡くなってから160年にあたる節目の年。太田記念美術館ではそれを記念して、広重の画業の全貌を紹介する展覧会を開催いたします。


歌川広重「東海道五拾三次之内 庄野 白雨」(太田記念美術館蔵)後期

9月6日は広重の命日。今年は没後160年。

広重が亡くなったのは安政5年(1858)9月6日。墓所である東岳寺(東京都足立区)では毎年法要も営まれています。その命日に重なるよう、没後160年記念展を開催いたします。太田記念美術館のコレクションの中でも、最も点数が多いのが広重の作品。その中から、代表作である「東海道五拾三次之内」や「名所江戸百景」を含め、選りすぐりの広重の名作をご紹介します。太田記念美術館では13年ぶりに開催される大回顧展となります。


歌川広重「東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪」(太田記念美術館蔵)前期


歌川広重「木曽海道六拾九次之内 三拾貳 洗馬」(太田記念美術館蔵)後期

名品から珍品まで、広重の全貌に迫る。


歌川広重「雪月花の内 月の夕部」(太田記念美術館蔵)前期

広重の代表作と言えばもちろん風景画ですが、広重は美人画や花鳥画、戯画など、さまざまなジャンルの浮世絵を描いています。普段は紹介されることの少ないこれらのジャンルの作品も含め、200点以上展示します(前後期で全点展示替え)。もしかしたら、広重のイメージが変わるかも知れません。


歌川広重「鯛 鯉 鰹」(太田記念美術館蔵)後期


歌川広重「東都名所 高輪之明月」(太田記念美術館蔵)前期

歌川広重「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」(太田記念美術館蔵)前期

歌川広重「冨士三十六景 駿河薩タ之海上」(太田記念美術館蔵)後期

ハロウィンの元祖?

10月と言えば、ここ数年人気の高まっているハロウィン。広重の作品の中に、ハロウィンの仮装パーティーの元祖では?と思うような人が描かれています。大勢の人たちでにぎわう中、タコの着ぐるみを着ている謎の男性。実はこの作品、二十六夜待ちという江戸時代の行事を描いたものです。二十六夜待ちとは、旧暦7月26日の夜、月の出を拝もうという行事のこと。芝高輪の海岸付近では、茶屋や船の上で宴会を開きながら、月の出を待つ人で溢れていました。
タコの着ぐるみを着ている男性は、俄(にわか)という、素人たちが即興で踊りや芝居をするグループの一人なのです。俄では仮装をすることが多く、タコの男性の隣には漁師に扮した男性がいます。もちろんハロウィンと直接のつながりはありませんが、江戸時代の人々も仮装を楽しんでいた様子がうかがえます。
ちなみにこの作品、寿司屋、天ぷら屋、蕎麦屋など、庶民たちに親しまれた屋台の様子が描かれているのも特徴です。江戸のグルメ文化を知る上でも面白い作品と言えるでしょう。


歌川広重「東都名所 高輪廿六夜待遊興之図」(太田記念美術館蔵)後期

 

この秋、日本各地で、広重没後160年展が開催

歌川広重の名前を冠した美術館が日本各地に4つもあるのはご存知でしょうか? しかも、山形県、栃木県、静岡県、岐阜県と全国に広がっています。この秋、日本各地の広重美術館が連携し、広重の没後160年を記念した展覧会を開催します。全国に広がる広重人気を体感してください。

山形県天童市鎌田本町1-2-1
広重が描く日本の風景
2018年8月31日(金)~10月29日(月)
栃木県那須郡那珂川町馬頭116-9
大広重展-肉筆浮世絵と錦絵の世界-
2018年7月14日(土)~9月24日(月)
静岡県静岡市清水区清水区由比297-1
めいしょ広重
2018年8月14日(火)~11月25日(日)
岐阜県恵那市大井町176-1

木曽海道六拾九次之内 2018年8月30日(木)~9月30日(日)

原安三郎コレクション公開 北斎と広重展 2018年10月4日(木)~12月2日(日)

*本展会期中、当館ご入場時に上記の4館いずれかの広重展チケット半券のご提示で、入館料を100円割引いたします。また、当館のチケット半券を他の施設へお持ちいただくと、入館料が割引になります。1枚につき1名、割引の併用はできません。詳しくはこちら

 

 

見どころの作品 ―美しき広重ブルー―

歌川広重「東海道五拾三次之内 沼津 黄昏図」(太田記念美術館蔵)前期

                         

有名な保永堂版東海道五十三次の中で、唯一、月景色をテーマにした作品です。
日が沈み、すっかり薄暗くなった時刻。満月の月明かりに照らされながら、3人の旅人たちが静かに歩を進めています。先を歩くのは二人連れの比丘尼、後ろで巨大な天狗の面を背負っているのは金比羅参りの男性でしょう。奥に見える橋を渡れば、沼津宿に入ります。
夜空と川には、海外から輸入されたベロ藍という絵具が用いられ、「広重ブルー」と称された美しい青の世界を演出しています。心穏やかに満月を眺める、秋の季節には最適の名品でしょう。

入館料
一般 1000円
大高生 700円
中学生以下 無料

※会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示にて200円割引。

※広重美術館、那珂川町馬頭広重美術館、静岡市東海道広重美術館、中山道広重美術館のいずれかの広重展チケット半券のご提示にて100円割引。

※障碍者手帳をご提示いただくと、ご本人様とお付添1名まで、100円割引。

※団体(10名様以上)は1名あたり100円割引。事前にお申込みをお願いいたします。

※割引の併用はできません。

※中学生以上の学生は学生証をご提示ください。

 

開館日カレンダー

休館日

   

江戸の悪 PARTⅡ

特別展
2018年6月2日(土)~7月29日(日)
前期 6月2日(土)~27日(水)
後期 6月30日(土)~7月29日(日)
※前後期で全点展示替え
 
6月4、11、18、25、28、29、7月2、9、17、23日は休館します。
 

展覧会公式サイト

 

 


名所江戸百景 隅田川水神の森真崎(前期展示)


人はなぜ、悪に、惹かれるのか


人は何故「悪」に惹きつけられるのでしょうか。ドラマや映画、小説などで、悪役は時に主人公を凌ぐほどの魅力をはなつことが少なくありません。そして江戸を生きた人々も、すでにこの「悪」の持つ底知れぬ魅力に気づいていたようです。例えば世間を騒がせた大盗賊が市中引き回しになると、その姿を一目見ようと街道は群衆で埋め尽くされたと言います。また元禄赤穂事件などの大事件はすぐに芝居にも移され、吉良上野介は稀代の悪人としてのイメージを定着させていきます。幕末には、盗賊が登場する「白浪物」の芝居が流行し、盗賊や小悪党が人気を呼びました。当時の人たちは現実、虚構を問わず、「悪」の持つ魅力に好奇心を抱き、時に酔いしれたのです。
さまざまな悪人たちのイメージを、描かれた浮世絵から探る本展覧会は、2015年に開催して好評を博した同名の展覧会のパワーアップ版。鼠小僧次郎吉などの盗賊、幡随院長兵衛などの侠客、悪の権力者、悪女、悪の妖術使いなど、実在した悪人から物語に登場する架空の人物まで-江戸の「悪い人」たちが、人数も倍増して、ふたたび大集合いたします。

I 盗賊・侠客・浪人から悪の権力者・悪女・悪の妖術使いまで― 江戸の「悪い人」たち、ふたたび大集合。

石川五右衛門などの大盗賊、雁金五人男などの侠客、斧定九郎などの浪人、悪の権力者、悪女、悪の妖術使いなど、江戸時代にはまっとうな道からはずれたアウトローや悪人たちが人気となり、さまざまな脚色がほどこされて芝居や小説などに登場しました。伝説上・架空の人物から当時の江戸を騒がした実在の大盗賊まで、江戸の「悪い人」たちがふたたび大集合します。


月岡芳年「東錦浮世稿談 神田伯勇 幡随院長兵衛」個人蔵(後期)


歌川国芳「木下曽我恵砂路」個人蔵(後期)


月岡芳年「英名二十八衆句 因果小僧六之助」(前期)


月岡芳年「長庵札ノ辻ニテ弟ヲ殺害之図」(前期)


葛飾北斎「仮名手本忠臣蔵 初段」(前期)


月岡芳年「新撰東錦絵 鬼神於松四郎三郎を害す図」(後期)


豊原国周「相馬良門古寺之図」(後期)

Ⅱ 恋と悪

歌舞伎で好まれたのが、時に現代の昼ドラも顔負けのどろどろとした恋愛模様。例えば怪談物の名作「東海道四谷怪談」では民谷伊右衛門とお岩を中心に、屈折した恋愛感情の中で数々の悪事が行われます。また「清玄桜姫物」の芝居に登場する、死してなお桜姫に執着し続ける破戒僧・清玄は、元祖ストーカーとも言えるでしょう。


歌川国貞(三代豊国)「東海道四谷怪談」(後期)


歌川国貞(三代豊国)「東都贔屓競 二 清玄 桜姫」(前期)

Ⅲ 善と悪のはざま

一口に「善」と「悪」と言っても、その境界は実に曖昧です。芝居では佐野次郎左衛門のように善人がひどい侮辱を受け、とうとう我慢できずに多くの人を殺傷する筋があり、また「義経千本桜」のいがみの権太のように、小悪党が最後に善行をして死んでいくという物語もあります。善と悪を行き来する筋立ては非常に魅力的であり、当時の人たちの心を掴んだのでしょう。


落合芳幾「英名二十八衆句 佐野治郎左エ門」(前期)


月岡芳年「英名二十八衆句 福岡貢」(後期)

入館料
一般 1000円
大高生 700円
中学生以下 無料

※会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示にて200円割引(他の割引との併用不可)

◆多分野連携展示【悪】相互割引
入場券ご購入時に以下のいずれかをご提示いただくと、100円割引にてご入場いただけます。
・ヴァニラ画廊「HN【悪・魔的】コレクション~evil devil~」展パンフレットに付属のクーポン
・東洋文庫ミュージアム「悪人か、ヒーローか Villain or Hero」展入場料のレシート
(1枚につき1名様、1回限り有効、割引の併用はできません)

広重 名所江戸百景

企画展
2018年4月1日(日)~5月27日(日)
前期 4月1日(日)~26日(木)
後期 5月1日(火)~27日(日)
※前後期で全点展示替え
 
4月2、9、16、23、27~30、5月7、14、21日は休館します。
 

 

 

 


名所江戸百景 隅田川水神の森真崎(前期展示)

魅せます! 広重の名品たち 

―没後160年記念―


2018年は風景画の巨匠、歌川広重(1797~1858)の没後160年にあたります。これを記念し、太田記念美術館では4~5月に「歌川広重 名所江戸百景」展、9~10月に「没後160年記念 歌川広重」展を開催いたします。実は、太田記念美術館が所蔵する浮世絵のうち最も作品数の多い絵師が広重で、その数およそ2600点。今年はコレクションを中心に選りすぐりの広重作品をご紹介し、その魅力を余すところなくお伝えします。

広重晩年の名作


名所江戸百景 浅草金龍山(後期展示)

第1弾となる本展では、「浅草金龍山」や「亀戸梅屋舗」、「大はしあたけの夕立」など誰もが一度は目にしたことのある名品を含む「名所江戸百景」をご紹介いたします。本シリーズは、広重が亡くなるまでの3年を費やし制作した晩年の代表作。また目録と、弟子による作品を含めた120図からなる大作ですが、前期後期に分けて全点を展観いたします。なお太田記念美術館本は保存状態が良好で、摺りも広重の意図が反映された早い段階のものと考えられています。優品を通して、広重が晩年にたどり着いた境地をご堪能ください。

麗しき江戸の記憶

桜散る隅田川に藤咲く亀戸天神、月下の猿若町に雪の浅草寺。今からおよそ160年前、広重は円熟した筆づかいで、江戸の町をみずみずしく描写しました。しかし広重が没し、「名所江戸百景」の刊行がひと段落してからわずか10年後、日本は元号を明治へと変えます。「名所江戸百景」は明治時代以降、すさまじいスピードで様変わりする直前の江戸の姿を切り取っているのです。今と変わらぬ風景、失われた名所。これらを描き出した「名所江戸百景」は、幕末の江戸の空気を今に伝えるタイムカプセルとも言えるでしょう。


名所江戸百景 亀戸天神境内(後期展示)


名所江戸百景 猿わか町よるの景(前期展示)


名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣(前期展示)

奇抜な構図

縦長の画面に風景を描く手法は、実は広重が晩年近くになって好んだものです。この形式をいかし、「名所江戸百景」では手前にモチーフを大きく描く、極端な遠近法を用いたユニークな作品が数多くあります。大胆な構図は、時に江戸の町に入り込んでしまったような臨場感も生み出し、「名所江戸百景」が他にはない魅力を持つ風景画となる要素となっています。60歳を過ぎてなお新たな構図にチャレンジする、広重の旺盛な制作意欲にも驚かされます。


名所江戸百景 深川万年橋(後期展示)


名所江戸百景 深川洲崎十万坪(前期展示)

冴えわたる超絶技巧

浮世絵版画にはさまざまな彫りや摺りの技法がありますが、「名所江戸百景」は手間のかかる難しい技が惜しげもなく用いられています。例えば、細く鋭い線で表現された雨を版木に彫り出す技術、また空や水面を表現する際に駆使される「ぼかし」や、絵具を使わず強く摺ることで凹凸を出す「空摺(からずり)」といった摺りの技術など。広重の絵を支える彫師、摺師たちの超絶技巧も見どころです。

 

見どころの作品 ゴッホも愛した広重


名所江戸百景 亀戸梅屋舗(前期展示)


名所江戸百景 大はしあたけの夕立(後期展示)

梅の木を画面からはみ出すほど大きく描く奇抜な構図と、鮮やかな色彩が印象的な「亀戸梅屋舗」。橋の上で突然の夕立に見舞われ、人々が慌てて駆け抜けようとする一瞬の情景を切り取った「大はしあたけの夕立」。いずれも「名所江戸百景」でも人気の高い名品です。
近年、ポスト印象派の画家フィンセント・ファン・ゴッホが浮世絵から影響を受けていたことが改めて注目されていますが、なかでもこの2作品は油彩による模写が残されており、大きな関心を寄せていたことが知られます。広重の確かな画力に支えられた大胆な構図や色づかいは、西洋の画家にとってもインパクトのあるものだったのでしょう。洋の東西を問わず人々を魅了するこれらの作品は、浮世絵だけでなく日本美術を代表する逸品とも言えます。

イベント
学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日程 2018年4月6日(金)、11日(水)、17日(火)、5月2日(水)、11日(金)、17日(木)
時間 14:00~(40分程度)
場所 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法 申込不要 参加無料(要入場券)
若手研究者講演会
日程

2018年4月21日(土)「浮世絵グローバリゼーション ――江戸の浮世絵と、大正・昭和の西洋人新版画作家たち」永谷侑子氏(慶應義塾大学大学院)

時間 14:00~15:30
場所 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法 申込不要 参加無料(要入場券)
入館料
一般 700円
大高生 500円
中学生以下 無料

 

江戸の女装と男装

企画展
2018年3月2日(金)~3月25日(日)
 
3月5、12、19日は休館します。
3月15日から数点の作品が入れ替わります。
 

 

 

 

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男女の境界を行き来する江戸文化

女装や男装の文化は、洋の東西を問わず、古くから見られるものです。日本では、女装といえば『古事記』に見える、ヤマトタケルが女装して熊襲を退治した話が思い出されますし、また中世の稚児による女装、芸能に見られる女装など、古くから異性装の風俗がありました。 江戸時代にも祭礼で芸者などの女性が男装して出し物を演じたり、男性役者が女装して女性を専門に演じる歌舞伎の女形など、男装や女装の風俗が見られます。また、歌舞伎に登場する女装の盗賊、弁天小僧をはじめ、物語で活躍する異性装の登場人物も広く親しまれました。浮世絵では歴史や物語に登場する人物の男女を入替えて、当世風の人物に置き換えるやつし絵や見立絵も多く描かれています。 男女が入れ替わる趣向という意味では、近年の映画「君の名は。」の大ヒットも思い起こされるところですが、既に江戸時代には、異性装や男女を入れ替えるという発想が、庶民にとって身近なものであったことがうかがえます。本展では、描かれた浮世絵を通して、男女の境界を自由に行き来する江戸時代の風俗や文化の諸相に迫ります。

 


落合芳幾「獅子王二和賀全盛遊」

 

祭礼で男装する女性たち


歌川広重「東海道五十三図会 四十四 諏訪明神祭礼」

江戸時代の遊郭である吉原では、八月になると俄という祭りが催され、メインストリートである仲之町の大通りでは男装した芸者たちによる獅子舞や俄狂言などが演じられました。芸者たちは鳶の扮装をしたり、助六などの有名なお芝居を演じて祭りを盛り上げたようです。山王祭や神田祭など、各地の祭礼でも附祭と呼ばれる同様の風俗が見られます。

物語にみる女装・男装

日本では、『古事記』に見られるヤマトタケルが女装して熊襲を退治した話や、牛若丸が五條橋で女装の稚児として弁慶と戦うという話など、異性装の話は古くから見られます。また江戸時代には、歌舞伎に登場する女装の盗賊、弁天小僧や、小説『南総里見八犬伝』に登場する女装の剣士・犬坂毛野などが人気を呼びました。ここでは、物語に登場する異性装の人物たちを紹介します。

月岡芳年「月百姿 賊巣の月 小碓皇子」

歌川国貞(三代豊国) 「豊国漫画図絵 弁天小僧菊之介」

女装のスペシャリスト―歌舞伎の女形

歌舞伎の始まりである出雲の阿国の一座では、阿国などの女性が男装をし、男性が女装をしていたとされます。寛永6年(1629)に女性が歌舞伎に出演することが禁じられて以降、女形(方)が女性を専門的に演じるようになり、女形の名優が数多く登場しました。女形は日常生活でも女性のように暮らすことを推奨されたと言い、いわば女装のスペシャリストとも言えるでしょう。


月岡芳年「つき百姿 桜さくすみだの川にこぐふねもくれて関屋に月をこそ見れ 水木辰の助」


東洲斎写楽「三代目瀬川菊之丞の田辺文蔵女房おしづ」

歌舞伎や浮世絵にみる男女入替え

歌舞伎では「女助六」や「女清玄」のように、通常では立役(男性役)が演じる登場人物を、男女の設定を入替えて女形が演じる趣向があります。また浮世絵では、歴史や物語の登場人物などを、時に男女を入替えて当世風の人物に置き換える「やつし絵」や「見立絵」なども盛んに描かれました。ここでは江戸の庶民たちが楽しんだ、洒落た男女入替えの趣向を紹介します。


勝川春好「三代目瀬川菊之丞の女助六」


鈴木春信「やつし費長房」

見どころの作品

月岡芳年「風俗三十二相 にあいさう 弘化年間廓の芸者風俗」

                          

「風俗三十二相」は、月岡芳年が晩年に手掛けた、32枚からなる美人画の揃物です。寒そう、痛そうなどといった、さまざまな年齢や職業の女性たちの心情を題材にした内容で、本図には「にあいさう」とあります。何が「似合いそう」なのでしょうか。 本図に描かれているのは、画中の説明によると弘化年間(1844~48)の廓の芸者。廓、つまり吉原で八月に行われた祭りである「俄(にわか)」に参加した女芸者が、手古舞と呼ばれる鳶のような扮装をしています。女性は男髷を結った男装で描かれており、手には「俄」と書かれた扇を持っています。描かれた女芸者の男装姿がとても凛々しく、様になっていることから、「似合いそう」とあるのでしょう。

イベント
学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日程 2018年3月6(火)、15日(木)、21日(水・祝)
時間 14:00~(40分程度)
場所 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法 申込不要 参加無料(要入場券)
入館料
一般 700円
大高生 500円
中学生以下 無料

 

明治維新150年 幕末・明治 ―激動する浮世絵

企画展
2018年1月5日(金)~2月25日(日)
前期 1月5日(金)~28日(日)
後期 2月2日(金)~25日(日)
※前後期で展示替え
 
1月9、15、22、29~2月1、5、13、19日は休館します。
 

 

 

今から約150年前、長らく続いた江戸幕府が崩壊し、新たに明治政府が樹立するという、時代の大きなうねりが起こりました。幕末・明治の浮世絵師たちは、時には、戊辰戦争や文明開化といった社会の変化を描き、時には、西洋文明の影響を受け入れながら、新たな絵画表現にチャレンジしました。
来年、平成30年(2018)は、明治維新からちょうど150年にあたります。それを記念し、本展覧会では、幕末から明治にかけて制作された浮世絵約150点(前後期で展示替えあり)を紹介します。幕末・明治という時代にあわせて激動していく浮世絵をお楽しみください。


歌川芳虎「信長公延暦寺焼討ノ図」(前期展示)

 

展示の見所① 2018年は明治維新から150年。激動の時代を見つめ直す

慶応4年(1868)、戊辰戦争が勃発し、江戸幕府が瓦解。江戸の町は東京と名前を変え、急速な近代化が進みました。幕末の動乱を伝える風刺画や、近代化した東京の街並みを描いた開化絵をとおして、激動の時代を見つめ直します。


三代歌川広重「東京名所京橋従煉化石之真図」(後期展示)

展示の見所② 浮世絵師たちが描いた西郷隆盛

NHKの大河ドラマの主人公としても注目を集める西郷隆盛。西郷隆盛といえば、普段着に犬を連れた上野公園の銅像が有名でしょう。しかし、明治時代の浮世絵には、西郷隆盛の姿がさまざまな形で描かれています。西郷隆盛が描かれた浮世絵を8点紹介します。

小林清親「鹿児嶋征討戦記」(前期展示)

展示の見所③ 月岡芳年、小林清親。注目される幕末・明治の浮世絵師たちを紹介

歴史画を得意とした月岡芳年。光線画と称される、光と闇を巧みに表現した風景画を描いた小林清親。幕末・明治時代には、他にもさまざまな浮世絵師たちが活躍し、激動する時代に見合った絵画表現をそれぞれ追求していました。人気絵師から知られざる絵師まで、幕末・明治の浮世絵師たちの活躍を幅広くご紹介します。

小林清親「日本橋夜」(後期展示)


月岡芳年「芳年武者旡類 源牛若丸 熊坂長範」(前期展示)

見どころの作品

鈴木年基「文武高名伝 旧陸軍大将正三位西郷隆盛」

月岡芳年「西郷隆盛霊幽冥奉書」


鈴木年基「文武高名伝 旧陸軍大将正三位西郷隆盛」個人蔵(前期展示)


月岡芳年「西郷隆盛霊幽冥奉書」(後期展示)

いずれも西郷隆盛を描いた作品です。年基の描いた西郷は、軍服姿にきりりとした表情をしています。描かれたのは明治10年(1877)5月。西南戦争はすでに勃発し、西郷軍の劣勢が伝えられているものの、まだ勝敗の確定していない時期です。画中には西郷を「賊将」と記していますが、それを感じさせない威厳ある姿です。
一方、芳年の描いた西郷は、眼の焦点が定まらず、唇も紫色になっています。制作は明治11年(1878)7月。すでに西南戦争に敗れて自刃した後で、幽霊となって建白書を届けようとしている姿として描かれています。西郷の不気味な姿は、国の将来に対する不安を象徴しているかのようです。
イベント
学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日程 2018年1月8(月・祝)、19日(金)、23日(火)、
2018年2月6日(火)、12日(月・祝)、23日(金)
時間 14:00~(40分程度)
場所 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法 申込不要 参加無料(要入場券)
若手研究者講演会
日程

2018年2月3日(土)「明治の浮世絵にみる《江戸》-楊洲周延を中心に」村瀬可奈氏(町田市立国際版画美術館)

2018年2月17日(土)「浮世絵に描かれた母子の姿 -喜多川歌麿と菊川英山を中心に」洲脇朝佳氏(國學院大學大学院)

2018年2月24日(土)「肉筆浮世絵の技法と復元」向井大祐氏(東京藝術大学)

時間 14:00~15:30
場所 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法 申込不要 参加無料(要入場券)
入館料
一般 700円
大高生 500円
中学生以下 無料

 

没後150年記念 菊川英山

特別展
2017年11月3日(金・祝)~12月20日(水)
前期 11月3日(金・祝)~26日(日)
後期 12月1日(金)~20日(水)
※前後期で展示替え
 
11月6、13、20、27~30日、12月4、11、18日は休館します。
 

 

 


「傘をさす娘」太田記念美術館蔵(前期)

知られざる美人画の名手

菊川英山(1787~1867)という浮世絵師の名を知っている人はどれほどいるでしょうか。巨匠、喜多川歌麿の亡き後、多くの絵師が歌麿風の作品を手がけるなか、可憐でたおやかな女性像を確立して新時代の美人画をリードしたのが菊川英山でした。その作品には上品な武家の姫君から、愛らしい町娘、ゴージャスな遊女まで、さまざまな女性たちが時に優雅に、時にポップにカラフルに描かれます。こうした英山の美人画は弟子の溪斎英泉のみならず、近年人気の歌川国貞や歌川国芳など、以後の絵師たちに大きな影響を与えました。幕末の美人画は、英山から始まったと言っても過言ではないでしょう。
今年、菊川英山の没後150年を迎えることを記念し、本展覧会では、初公開作品や代表作を含む版画・肉筆画の優品約200点を通して、菊川英山の画業に再び光をあてます。東京で開催される回顧展としては32年ぶりです。新しい時代のなかでしなやかに花開いた英山美人の輝きをご堪能ください。

江戸の新しい女性像

菊川英山が浮世絵界にデビューしたのは10代後半の頃。喜多川歌麿風のはつらつとした美人画を描き若くして人気絵師となります。歌麿没後、20代半ばとなった英山は新しい美人画を模索し始めます。そして行き着いたのが黒目がちの瞳に、六頭身でほっそりとした体つきの愛らしい女性像でした。浮世離れしたスラリとした長身の歌麿美人がスーパーモデルなら、可憐で小柄な英山美人は読者モデルのような親しみやすさも備えています。こうした新しい女性美が江戸市民に広く愛されたのです。


「青楼名君花合 丁子屋内丁山 錦戸」太田記念美術館蔵(前期)

歌麿風の初期作品


「七小町 かよひ」太田記念美術館蔵(後期)

華奢な英山らしい女性像


「青楼六玉川のうち 山しろ 扇屋内 梯立」個人蔵(後期)

オシャレの手本は英山美人

茶屋の看板娘や母子、芸者や遊女など江戸の町を彩った女性たちが登場する英山作品。その魅力のひとつは女性たちがとてもオシャレだということ。当時、髪型や化粧、着こなしにいたるまで身分や年齢による制約があり、そのなかでいかに最新ファッションを楽しむかは、江戸女性の大きな関心事でした。人気役者が発信源の旬のモチーフやブームとなった笹色紅など、ルールのなかで最先端の流行を取り入れた英山美人は、現代のファッション雑誌さながらに女性たちの心を躍らせたことでしょう。


「朝顔の三美人」太田記念美術館蔵(後期) 

大判錦絵三枚続の美人画。大判1枚ごとに女性1人を描く構図は英山が確立させ、以後主流となる。


「青楼之秋灯楼図」太田記念美術館蔵(後期)

美人画空白の時代に光をあてる

浮世絵美人画を語る際、英山が活躍した文化年間(1804~18)という時代は、これまであまり注目されてきませんでした。しかし近年、門弟の溪斎英泉や歌川国芳、歌川国貞の展覧会が開催され、幕末に活躍した絵師たちの人気が高まりつつあります。本展では作品を時代順に展示することで、喜多川歌麿と幕末の絵師たちをつないだ英山の美人画の意義を見直します。


「東姿源氏合 紅梅」太田記念美術館蔵(後期) 

緻密な細部描写、やや硬い表情は弟子の英泉と共通する。


「風流六玉川 近江 萩の玉川」個人蔵(前期)

美麗な日本浮世絵博物館コレクション、初公開作品ほか、名品の数々


「江戸名所美人八景 上野暮雪」個人蔵(前期)

本展では、個人コレクターや美術館所蔵のさまざまなコレクションの中から、選りすぐりの英山作品が数多く出展されます。なかでも保存状態の優れた日本浮世絵博物館の英山コレクションがまとまって(23点)東京で紹介されるのは初めてのことです。また初公開となる個人所蔵作品も含めた貴重な作品から、麗しい色彩に包まれた英山美人の真髄に触れてみてください。

「風流曲水ノ宴」日本浮世絵博物館蔵(後期)

<見どころの一点>
「六玉内 伊手玉川」日本浮世絵博物館蔵(前期)

                   

日本浮世絵博物館が所蔵する本図は、保存状態が良く退色しやすい淡い青色がよく残った逸品です。床几に座り物思いにふける様子の水茶屋の女性。当時、寺社など多くの人でにぎわう場所に設けられた水茶屋では、見目麗しい女性たちが働くことが多くありました。青紫の縞柄の着物に花模様の前掛、グレーの雲文の帯という装いは一見ひかえめですが、前掛の紐などの朱色が差し色としてとても効いています。また、楚々とした美しさに加えて、柔らかな指先やはだけた胸元からは匂い立つような色香が漂います。本図は、理想とされた女性像をひとつに凝縮した一点といえるでしょう。

展覧会カタログ
本展カタログ「没後150年記念 菊川英山」を2,500円(税込)にて販売します。
200点余りの出品作品すべてをカラーで掲載。太田記念美術館受付にてお求めいただけます。通信販売をご希望の方はこちらをご覧ください。
入館料

リピーター割引 本展の会期中2回目以降ご鑑賞の方は、半券のご提示にて200円割引いたします。
※チケット購入時に半券をご提示下さい。他の割引との併用はできません。

一般 1000円
大高生 ※学生証をご提示ください。 700円
中学生以下 ※中学生は学生証(生徒手帳)をご提示ください。 無料
開館日カレンダー

休館日