北斎とライバルたち

2022年4月22日(金)~6月26日(日)

前期 4月22日(金)~5月22日(日)
後期 5月27日(金)~6月26日(日)※前後期で全点展示替え

4月25、5月2、9、16、23-26、30、6月6、13、20日は休館します。

開館時間:10時30分~17時30分(入館は17時まで)
入場料:一般 1000円 / 大高生 700円 / 中学生以下 無料

・「北斎とライバルたち」展チラシはこちら
・「北斎とライバルたち」展作品リストはこちら

担当学芸員によるスライドトークを行います。
また、ご来館が難しい方のために、オンライン展覧会を販売しています。
詳細は画面下部をご覧ください。

世界的に最もその名前が知られている浮世絵師、葛飾北斎。北斎は「冨嶽三十六景」に代表される風景画のほか、さまざまなジャンルを手掛け、高い名声を得ました。しかし当然のことながら、その頃に活躍をしていた絵師は北斎だけではありません。数多くの浮世絵師たちが、時には北斎と覇権を争い、時には影響を受けたり与えたりしていたのです。本展覧会では、北斎の作品に注目するだけでなく、同時代・次世代に活躍した総勢15名以上の絵師たちの作品を並べることで、北斎とライバルたちがどのような関係にあったのかを紹介いたします。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(後期)

歌川広重「不二三十六景 相模七里か浜風波」(後期)

北斎とライバルたちとの交流を紹介

葛飾北斎の展覧会はこれまでさまざまな美術館で幾度も開催されてきましたが、その多くが、北斎の作品のみに焦点を当てるものでした。比較して紹介されたのは、北斎と同様に風景画を得意とした歌川広重くらいでしょう。本展覧会では、歌川広重だけでなく、東洲斎写楽、溪斎英泉、歌川国芳など、同時代に活躍した絵師たちを幅広く取り上げると同時に、北斎と他の絵師たちがどのような交友関係だったかも掘り下げて紹介します。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 深川万年橋下」(後期)
歌川国芳「東都富士見三十六景 新大はし橋下の眺望」(後期)

北斎が手掛けたさまざまなジャンルを幅広く紹介

北斎がたくさんのライバルたちと競合していたということは、北斎がそれだけさまざまなジャンルで活躍していたことを意味します。北斎の晩年の代表作である「冨嶽三十六景」はもちろん、役者絵や武者絵、風景画や美人画など、北斎の幅広い画業を、他の絵師たちも交えながら紹介します。

葛飾北斎「三代目市川高麗蔵」(後期)
東洲斎写楽「二代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木」(後期)
葛飾北斎「鎌倉の権五郎景政 鳥の海弥三郎保則」(前期)
歌川国芳「通俗水滸伝豪傑百八人一個 出林龍鄒淵」(前期)

北斎を模倣した次世代の作品も紹介

北斎は同世代の絵師たちと切磋琢磨するだけでなく、次世代の絵師たちにも影響を与えています。それは直接の門人だけに限らず、流派の異なる絵師たちにも及んでいました。本展覧会では、北斎の作品を模倣した次世代の絵師たちの作品も紹介します。

歌川広景「江戸名所道戯尽 四 御茶の水の釣人」(後期)
落合芳幾「百もの語 小幡小平治 十」(前期)

見どころの作品

葛飾北斎「冨嶽三十六景 登戸浦」(前期)
歌川広重「冨士三十六景 相模江之島入口」(前期)

葛飾北斎「冨嶽三十六景 登戸浦」(前期)
歌川広重「冨士三十六景 相模江之島入口」(前期)

葛飾北斎が亡くなった後、歌川広重は「冨士三十六景」を発表しました。北斎と広重、場所は異なりますが、それぞれ鳥居越しに眺めた富士山を描いています。北斎は幾何学的かつ奇抜な構図を試みたのに対し、広重は実際の景色を見たままに描いたような構図となっています。同じ富士山を描いているからこそ、2人の個性の違いがよりはっきりと表れています。


イベント

学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日時2022年5月12日(木) 11:00
2022年5月18日(水) 11:00
2022年5月31日(火) 11:00
2022年6月17日(金) 11:00
2022年6月22日(水) 11:00  各回30分程度
会場太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法10:30より美術館受付にて整理券を配布します。展覧会入場券ご購入時にお申し出ください。(お申し出のない場合整理券はお渡ししません)
聴講には「北斎とライバルたち」展の当日入場券と整理券が必要です。
整理券は展覧会にご入場の方1名につき1枚まで。
オンライン展覧会

本展の作品と解説をオンラインでもお楽しみいただけます。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。

入館料
一般1000円
大高生700円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー

休館日

2022 04

休館日

1-21, 25

2022 / 04

1-21, 25

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2022 05

休館日

2, 9, 16, 23-26, 30

2022 / 05

2, 9, 16, 23-26, 30

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2022 06

休館日

6, 13, 20, 27-30

2022 / 06

6, 13, 20, 27-30

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

源平合戦から鎌倉へ ―清盛・義経・頼朝

2022年7月1日(金)~7月24日(日)

7月4、11、19日は休館します。

源平合戦から鎌倉へ ―清盛・義経・頼朝」展チラシ

武士たちの栄枯盛衰を浮世絵でたどる

平安時代末期に起きた治承・寿永の乱(1180~85)は俗に「源平合戦」とも呼ばれ、平氏と源頼朝を中心とした武士たちによる激しい戦いが繰り広げられました。そして頼朝が平家を滅ぼして鎌倉幕府を開いたのちも、頼朝の後継者や北条氏を中心とした有力御家人たちによる、権謀術数うずまく勢力争いの時代が続きます。
武士たちによる一族の存亡をかけた戦いのエピソードは、古くから『平家物語』や『吾妻鏡』などの軍記物によって普及しました。江戸時代には小説や歌舞伎などで親しまれ、浮世絵でも人気の題材となって数多くの作品が描かれています。
本展では、アニメ「平家物語」やNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でも再び注目を集めているこの時代を取り上げ、平清盛、源義経、源頼朝をはじめ、浮世絵を通して武士たちの栄枯盛衰をたどります。

歌川国芳「牛若鞍馬修行図」

江戸の人々を魅了した、栄光と悲劇のエピソード

平清盛によって栄光の時代を築きながら没落の一途をたどり、最後は壇ノ浦に滅びた平家一門、天才的な軍略で平家を滅ぼしながら、兄頼朝に疎まれて非業の死を遂げた源義経、鎌倉幕府の草創を支えながら、勢力争いの中で滅ぼされていった御家人たち――動乱の時代を生きた人々の生涯はしばしば華々しい成功と、隣合わせの悲劇に満ちたものでした。「判官贔屓」で知られる義経をはじめ、それらの劇的なエピソードは小説や歌舞伎、そして浮世絵に取り上げられ、江戸の人々の心を魅了したのです。

水野年方「寂光院」
月岡芳年「大日本名将鑑 平相国清盛」 
歌川芳虎「西海蜑女水底ニ入テ平家ノ一族ニ見」
歌川芳員「大物浦難風之図」
月岡芳年「芳年武者旡類 畠山庄司重忠」(個人蔵)
月岡芳年「俊寛僧都於鬼界嶋遇々康頼之赦免羨慕帰都之図」 

国芳・芳年・広重-浮世絵師が描くヒーローたち

武者絵の第一人者として活躍した歌川国芳は、源平時代の武士たちを数多く取り上げています。国芳はこの時代のさまざまなエピソードを親しみやすく、迫力たっぷりの筆致で描き出しました。その流れは国芳門下の絵師たちに受け継がれ、中でも月岡芳年は、明治時代にかけて洗練された画風で源平の武者たちを描いています。他にも風景画で有名な歌川広重による、どこかのんびりとした武者絵や戯画など、浮世絵師たちによる個性豊かな競演をお楽しみください。

歌川国芳「木曽街道六十九次之内 御嶽 悪七兵衛景清」
月岡芳年「芳年武者旡類 源牛若丸 熊坂長範」
歌川広重「童戯武者尽 源三位・熊谷」
見どころの作品

月岡芳年「大日本名将鑑 右大将源頼朝」

大きく羽を広げ、鶴の群れが空へと飛び立っています。かたわらでその様子を見守るのは源頼朝とその近習たち。源義経らの活躍により、壇ノ浦の戦いで平家が滅びてから2年後にあたる文治3年(1187)8月、頼朝は鶴岡八幡宮で放生会を行いました。本図はその際に千羽の鶴が放たれたという伝承を描いたと考えられています。放生会とは、仏教の殺生を戒める殺生戒の思想に基づき、捕らえた生類を放つ儀式のこと。
吉祥の象徴でもある鶴が飛び立つ様を眺めながら、頼朝はどこか満足そうな表情を浮かべているように見えます。宿敵の平家を倒し、すでに大きな権力を手中にした頼朝の心中がうかがわれるようです。
頼朝はその2年後、文治5年(1189)に不和となっていた弟の義経と、それを匿っていた奥州の藤原泰衡を滅ぼし、建久3年(1192)には征夷大将軍となって新たな武士の時代を創り出すことになります。

イベント

学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日時2022年7月8日(金) 11:00
2022年7月14日(木) 11:00  各回30分程度
会場太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法10:30より美術館受付にて整理券を配布します。展覧会入場券ご購入時にお申し出ください。(お申し出のない場合整理券はお渡ししません)
聴講には本展の当日入場券と整理券が必要です。
整理券は展覧会にご入場の方1名につき1枚まで。
入館料
一般800円
大高生600円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー

休館日

2022 07

休館日

4,11,19,25-29

2022 / 07

4,11,19,25-29

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

北斎とライバルたち

2022年4月22日(金)~6月26日(日)

前期 4月22日(金)~5月22日(日)
後期 5月27日(金)~6月26日(日)※前後期で全点展示替え

4月25、5月2、9、16、23-26、30、6月6、13、20日は休館します。

北斎とライバルたち展チラシ
北斎とライバルたち展作品リスト

世界的に最もその名前が知られている浮世絵師、葛飾北斎。北斎は「冨嶽三十六景」に代表される風景画のほか、さまざまなジャンルを手掛け、高い名声を得ました。しかし当然のことながら、その頃に活躍をしていた絵師は北斎だけではありません。数多くの浮世絵師たちが、時には北斎と覇権を争い、時には影響を受けたり与えたりしていたのです。本展覧会では、北斎の作品に注目するだけでなく、同時代・次世代に活躍した総勢15名以上の絵師たちの作品を並べることで、北斎とライバルたちがどのような関係にあったのかを紹介いたします。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(後期)

歌川広重「不二三十六景 相模七里か浜風波」(後期)

北斎とライバルたちとの交流を紹介

葛飾北斎の展覧会はこれまでさまざまな美術館で幾度も開催されてきましたが、その多くが、北斎の作品のみに焦点を当てるものでした。比較して紹介されたのは、北斎と同様に風景画を得意とした歌川広重くらいでしょう。本展覧会では、歌川広重だけでなく、東洲斎写楽、溪斎英泉、歌川国芳など、同時代に活躍した絵師たちを幅広く取り上げると同時に、北斎と他の絵師たちがどのような交友関係だったかも掘り下げて紹介します。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 深川万年橋下」(後期)
歌川国芳「東都富士見三十六景 新大はし橋下の眺望」(後期)

北斎が手掛けたさまざまなジャンルを幅広く紹介

北斎がたくさんのライバルたちと競合していたということは、北斎がそれだけさまざまなジャンルで活躍していたことを意味します。北斎の晩年の代表作である「冨嶽三十六景」はもちろん、役者絵や武者絵、風景画や美人画など、北斎の幅広い画業を、他の絵師たちも交えながら紹介します。

葛飾北斎「三代目市川高麗蔵」(後期)
東洲斎写楽「二代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木」(後期)
葛飾北斎「鎌倉の権五郎景政 鳥の海弥三郎保則」(前期)
歌川国芳「通俗水滸伝豪傑百八人一個 出林龍鄒淵」(前期)

北斎を模倣した次世代の作品も紹介

北斎は同世代の絵師たちと切磋琢磨するだけでなく、次世代の絵師たちにも影響を与えています。それは直接の門人だけに限らず、流派の異なる絵師たちにも及んでいました。本展覧会では、北斎の作品を模倣した次世代の絵師たちの作品も紹介します。

歌川広景「江戸名所道戯尽 四 御茶の水の釣人」(後期)
落合芳幾「百もの語 小幡小平治 十」(前期)

見どころの作品

葛飾北斎「冨嶽三十六景 登戸浦」(前期)
歌川広重「冨士三十六景 相模江之島入口」(前期)

葛飾北斎「冨嶽三十六景 登戸浦」(前期)
歌川広重「冨士三十六景 相模江之島入口」(前期)

葛飾北斎が亡くなった後、歌川広重は「冨士三十六景」を発表しました。北斎と広重、場所は異なりますが、それぞれ鳥居越しに眺めた富士山を描いています。北斎は幾何学的かつ奇抜な構図を試みたのに対し、広重は実際の景色を見たままに描いたような構図となっています。同じ富士山を描いているからこそ、2人の個性の違いがよりはっきりと表れています。


イベント

学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日時2022年5月12日(木) 11:00
2022年5月18日(水) 11:00
会場太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法10:30より美術館受付にて整理券を配布します。展覧会入場券ご購入時にお申し出ください。
入場券をご購入の1名につき1枚まで。定員40名(立ち見での観覧はできません)
オンライン展覧会

本展の作品と解説をオンラインでもお楽しみいただけます。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。

入館料
一般1000円
大高生700円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー

休館日

2022 04

休館日

1-21, 25

2022 / 04

1-21, 25

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2022 05

休館日

2, 9, 16, 23-26, 30

2022 / 05

2, 9, 16, 23-26, 30

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2022 06

休館日

6, 13, 20, 27-30

2022 / 06

6, 13, 20, 27-30

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

赤 ―色が語る浮世絵の歴史

2022年3月4日(金)~3月27日(日)

3月7、14、22日は休館します。

「赤―色が語る浮世絵の歴史」ちらし
「赤ー色が語る浮世絵の歴史」作品リスト


華やかな「赤」の色彩に注目

浮世絵は豊かな色彩にあふれていますが、作品全体を華やかにしたり、画面を引き締めたりする「赤」は、最も重要な絵具です。鮮やかな「赤」が印象的な浮世絵約60点を厳選することで、江戸・明治の人々を魅了した「赤」の美しさを探ります。

勝川春潮「四代目岩井半四郎の七変化」
歌川国貞(三代歌川豊国)「今様三十二相 気むつかし相」

「赤」が浮世絵の歴史を作った

「紅絵」「紅摺絵」「赤絵」「紅嫌い」など、浮世絵の制作用語に最も用いられている色彩が「赤」。「赤」の絵具の使われた方の変遷が、浮世絵の技術の発展を物語っているのです。「赤」に注目することで楽しめる、新しい浮世絵の見方を紹介します。

石川豊信「二代目瀬川吉次の石橋」
鈴木春信「浮世美人寄花 南の方 松坂屋内野風」
小林清親「両国大火浅草橋」
二代歌川国輝「東京府下煉化従商家京橋観之図」

写楽、広重、芳年 「赤」のテクニック

一口に「赤」といっても、200年以上に渡る浮世絵の歴史の中で、その色合いは変化していきます。春信や写楽の時代では淡い色合いだったのが、広重や国貞の時代になると濃さを増していき、芳年が活躍した明治にはどぎついまでに鮮やかになるのです。人気の浮世絵師たちによる「赤」の使い方を紹介します。

東洲斎写楽「二代目中村野塩の小野の小町」
歌川広重「牡丹に孔雀」
月岡芳年「美立七曜星 満月」(個人蔵)

見どころの作品

歌川広重「名所江戸百景 浅草金龍山」

浅草寺の雪景色。雷門の提灯を手前に大きく描いた構図もさることながら、鮮やかな赤を各所に配置することで、雪の白さをより際立たせています。赤の絵具の原料の一つである紅花は貴重なため、濃く鮮やかな赤色で広い面積を摺ることは多くなかったのですが、幕末になると、赤い絵具の供給量や品質が改良されたのか、広重の作品でも鮮やかな赤がふんだんに使われるようになります。絵具の移り変わりは、浮世絵の味わいに大きな影響を与えています。

オンライン展覧会のご案内

本展の作品と解説をオンラインでもお楽しみいただけます。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。


入館料
一般800円
大高生600円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー

休館日

2022 3

休館日

1-3, 7,14,22,28-31

2022 / 3

1-3, 7,14,22,28-31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

信じるココロ ―信仰・迷信・噂話

2022年2月4日(金)-2月27日(日)

2月7、14、21日は休館します。

「信じるココロ」チラシ

「信じるココロ」作品リスト


〈信じる〉をキーワードに浮世絵を読み解く

江戸時代には、さまざまな民間信仰が庶民に親しまれました。浅草寺のような大寺院から町中の稲荷社まで、多数の寺社で毎月のように行われた縁日や、出開帳のようなイベントは数多くの人々で賑わいました。また庶民の関心は江戸市中にとどまらず、近場では江ノ島の弁財天や大山石尊社、遠方では富士山から伊勢神宮まで、人々は信仰のみならず行楽も兼ねて江戸の外へと繰り出したのです。
流行り廃りが激しいのも江戸庶民の信仰の特徴で、例えば嘉永2年(1849)には於竹如来を始めとする3つの神仏が一過性の大ブームとなります。当時の最新の世相を描いた浮世絵は、こうした流行を現代のSNSのように人々に伝え、拡散する役割を果たしました。他にも鯰が地震を起こすという迷信に基づいた「鯰絵」や、人魚が現れたというちょっと怪しいニュースを描いた作品まで、「信じる」をキーワードにさまざまな浮世絵を紹介します。

葛飾北斎「諸国瀧廻り 相州大山ろうべんの瀧」
歌川広重「名所江戸百景 目黒新富士」
歌川広重「伊勢参宮宮川の渡し」

浮世絵でバズる!流行りの神仏

移ろいやすい江戸庶民の信仰を象徴する例として、流行神という現象があります。一過性のブームとして人気になる神仏のことを言い、特に嘉永2年に回向院で出開帳が行われた於竹如来は大きな人気を呼びました。同時期には内藤新宿正受院の奪衣婆、日本橋の翁稲荷も人気となり、多くの参詣者が集まるなど、3つの流行神が江戸を賑わせます。当時、歌川国芳をはじめとする絵師たちがこれらの流行神をこぞって描いており、浮世絵がこの流行をさらに拡散させる役割を果たしたのです。

歌川国芳「於竹大日如来 一切衆生もろもろの願をかける」

大地震・流行病-迷信も笑いに変える

江戸の人々の生活の中では、さまざまな迷信が信じられており、そして迷信と浮世絵との関わりも深いものでした。例えば安政2年(1855)に起きた安政の大地震後には、鯰が地震の原因であるという迷信に基づいた、ユーモアたっぷりの鯰絵が数多く描かれて大人気となります。また疱瘡や麻疹、コレラなどが流行した際には、病気にまつわる迷信を題材にした戯画風の作品なども出版されました。

作者不詳「大都会無事」
歌川芳藤「麻疹退治戯の図」
歌川国芳「木菟に春駒」

人魚が現れた!怪しいニュースも浮世絵に

江戸では、時にちょっと怪しいニュースや、本当か嘘かわからないような噂が話題となり、しばしば浮世絵の題材ともなりました。例えば作者不詳「海出人之図」は、越後国で海中から出現したという、人魚のような不思議な女性を描いた作品。女性は「これから伝染病が流行るが、自分の姿を絵に描いて家内に貼ると難を逃れる」と予言して消えたと言います。他にも本所(現在の隅田区あたり)で知られた奇妙な噂話を集めたシリーズ「本所七不思議之内」などを紹介。

作者不詳「海出人之図」
三代歌川国輝「本所七不思議之内 置行堀」

見どころの作品

歌川国芳「奪衣婆の願掛け」

ちょっと困ったような顔をした老婆を取り囲むように、沢山の人々が手を合わせて拝んでいます。実はこの老婆は、内藤新宿の正受院に祀られていた奪衣婆像で、嘉永2年に於竹如来とともに大人気になった流行神の一つでした。奪衣婆とは、三途の川のほとりで亡者の衣服を剥ぎ取る鬼婆のこと。江戸時代末期には民間信仰の対象となって親しまれました。
図では奪衣婆の御利益に与ろうと、大勢の人々が「背が高くなりたい」「力持ちになりたい」「素敵な人と結婚したい」など、好き勝手な願い事をしており、奪衣婆も呆れ顔になっているようです。人々の台詞で埋め尽くされたようなデザインも印象的で、国芳らしいユーモアにあふれた一点です。


オンライン展覧会のご案内

本展の作品と解説をオンラインでもお楽しみいただけます。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。

入館料
一般800円
大高生600円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー

休館日

2022 2

休館日

1-3, 7,14,21,28-31

2022 / 2

1-3, 7,14,21,28-31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

江戸の恋

2022年1月5日(水)― 1月30日(日)

1月11、17、24日は休館します。

「江戸の恋」チラシ

「江戸の恋」作品リスト


純愛、悲恋、不倫まで ――江戸の恋バナ集めました

浮世絵にはあらゆる恋の形を見ることができます。鈴木春信や喜多川歌麿ら一流絵師が描く、見る者をうっとりさせるような美男美女の恋。さらには、心中や不義密通、恋の末の殺人など、実際の衝撃的な事件を脚色した歌舞伎や浄瑠璃の愛憎劇も、浮世絵の格好の題材となっています。ドラマチックで時にドロドロとした恋愛譚も、江戸の人々を惹きつけてやまなかったのです。
現代でも小説やマンガであらゆる恋が繰り広げられ、時代を象徴する恋愛ドラマも度々生まれています。恋という普遍的なテーマを通して浮世絵をご紹介する本展では、甘美な愛の語らいに心ときめかせ、危険な恋の行く末をハラハラと見守る、そんな恋愛物語を楽しむ醍醐味を味わっていただけることでしょう。そして浮世絵に描かれた恋を通して、一途な思いや嫉妬、さまざまな感情を抱いて生きた江戸の人々のリアルな姿にもぜひ触れてみてください。

鈴木春信「男女図(桜)」

夢のなかの恋

浮世絵に描かれた恋のなかでも人気を誇ったのが、愛らしい姫君と凛々しい若衆、人気の遊女と勇ましい侠客など理想化されたカップル。なかでも鈴木春信は、時に古典に題材を取ることで画面をよりロマンチックに仕立てあげました。時代を超えて鑑賞者を夢見心地に誘う、麗しい恋人たちの姿をご覧ください。

勝川春章「桜下詠歌の図」

悩ましき恋

歌舞伎や浄瑠璃には、もつれた三角関係に悩み嫉妬ゆえに命を落とす町娘お三輪、添い遂げられず死を思い詰める遊女浦里と恋人時次郎、さらには死してなお桜姫に執着する僧清玄など、恋心に翻弄されるさまざまな男女が登場します。彼らを描く浮世絵も数多く、当時の人々も恋の生み出す人間ドラマや悲哀に大きな魅力を感じていたようです。

歌川国貞(三代豊国)「明烏夢泡雪 春日屋時次郎 山名屋浦里」

歌川国貞(三代豊国)「東都贔屓競 二 清玄 桜姫」

破滅の恋

恋人に再会するために放火した罪で死罪となったお七、不義密通の末に死罪となったおさんと茂兵衛、自分をふった遊女を斬り殺した佐野次郎左衛門。こうした事件は歌舞伎や浄瑠璃で度々題材となりましたが、これをうけ浮世絵でも破滅に突き進む激しい恋物語が繰り返し描かれました。江戸の人々の心を揺さぶった、衝撃的な結末を迎える恋をご紹介いたします。

歌川国貞(三代豊国)「見立三十六句選 八百屋お七」
喜多川歌麿「風流愛興競 おさん 茂兵衛」
月岡芳年「新撰東錦絵 佐野次朗左衛門の話」

見どころの作品

鈴木春信「つれびき」

カキツバタの咲く水辺で、身を寄せ合い一棹の三味線を引く若い男女。仲睦まじい様子が伝わってきますが、実は本作は、玄宗皇帝と楊貴妃の見立てとなっています。江戸時代、一本の横笛をともに吹く「並笛図」が2人の愛情の深さを示す画題として知られており、本作はこれをふまえて描かれました。
春信の描く華奢で繊細な男女に重ねられた、玄宗皇帝と楊貴妃の古典世界。現実離れした恋人たちの姿には幻想的な雰囲気が漂います。
また本作は、たおやなか人物像で一世を風靡した鈴木春信の優品のひとつです。

オンライン展覧会のご案内

本展の作品と解説をオンラインでもお楽しみいただけます。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。


入館料
一般800円
大高生600円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー

休館日

2022 1

休館日

1-4, 11, 17, 24, 31

2022 / 1

1-4, 11, 17, 24, 31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

河鍋暁斎 ―躍動する絵本

2021年10月29日(金)~12月19日(日)

  • 前期 :10月29日(金)~11月23日(火・祝)
  • 後期 :11月27日(土)~12月19日(日)

※前後期で全点展示替え

11月1、8、15、22、24-26、29、12月6、13日は休館します。

「河鍋暁斎 ―躍動する絵本」チラシ

「河鍋暁斎 ―躍動する絵本」作品リスト




幕末から明治にかけて、狩野派でありながら浮世絵も数多く描いた絵師、河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい 1831~1889)。近年特に注目を集めており、全国各地の美術館で展覧会が開催され、さまざまな肉筆画や版画が紹介されています。しかしながら、暁斎の絵を一冊の本にまとめて出版した「絵本」というジャンルは、これまでほとんど注目されてきませんでした。本展では、人物や動物、妖怪などを躍動感あふれる筆づかいで描いた暁斎の絵本を大量に展示することで、「画鬼」と称された暁斎の知られざる神髄に迫ります。

河鍋暁斎『狂斎画譜』(後期)

河鍋暁斎『暁斎百鬼画談』(前期)

『北斎漫画』を超える!? 知られざる河鍋暁斎の絵本の魅力

暁斎は葛飾北斎の『北斎漫画』を超えるほどの躍動感ある筆づかいで、『暁斎漫画』や『暁斎鈍画』、『暁斎酔画』など、数多くの絵本を刊行しました。暁斎の展覧会は頻繁に開催されていますが、冊子状である絵本は展示しづらいこともあり、これまでその一部しか紹介されておりません。本展では、暁斎の絵本を取り上げることで、まだまだ奥深い暁斎の魅力を掘り下げます。

河鍋暁斎『暁斎画談 外篇』巻之上(後期)
河鍋暁斎『暁斎漫画』(後期)

総展示数420頁越え! 尽きることのない暁斎のイマジネーション

本展では、『暁斎漫画』『暁斎鈍画』『暁斎酔画』『暁斎百鬼画談』など、暁斎の絵本の代表作を全頁展示いたします(※前期と後期で全頁展示替え)。本展で展示される絵本の頁総数は420頁越えという膨大な量となります。尽きることのない暁斎のパワーとイマジネーションに圧倒されることでしょう。

河鍋暁斎『暁斎鈍画』(前期)

河鍋暁斎『暁斎百鬼画談』(後期)

人物、動物、妖怪 ミクロな画面に凝縮された躍動感!

暁斎の絵本の魅力は、人物や動物、妖怪たちが、まるで踊っているかのように生き生きと描かれているところにあります。暁斎の絵本の大きさはA5サイズ(21×14.8㎝)以下。中には『ちくさの宝』のような見開きで9.5×13㎝という極小の絵本もあります。そんなミクロな画面に描写された、人物や動物、妖怪たちの躍動感あふれる表現にご注目ください。

河鍋暁斎『ちくさの宝』(後期)
河鍋暁斎『暁斎鈍画』(後期)
河鍋暁斎『狂斎画譜』(前期)
河鍋暁斎『暁斎酔画』二編(前期)

見どころの作品

河鍋暁斎『暁斎漫画』(前期)

河鍋暁斎は骸骨を描くことを好んでおり、絵本の中にも頻繁に登場しています。医学書を参考にしたかのような正確な骨格の描写をしているだけでなく、背伸びをしたり踊ったりと、まるで生きているかのような躍動感あるユーモラスなポーズを取っているところが、暁斎ならではの味わいとなっています。表情も豊かに感じられ、にぎやかな笑い声が聞こえてきそうです。

オンライン展覧会のご案内

本展の作品と解説をオンラインでもお楽しみいただけます。
前後期の作品をすべて収録しました。お手元で細かいところまで拡大してご覧ください。


入館料
一般800円
大高生600円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー

休館日

2021 10

休館日

4,11,18,25-28

2021 / 10

4,11,18,25-28

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2021 11

休館日

1,8,15,22,24-26,29

2021 / 11

1,8,15,22,24-26,29

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2021 12

休館日

6,13,20-31

2021 / 12

6,13,20-31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

没後160年記念 歌川国芳

2021年9月4日(土)~10月24日(日)

  • PART Ⅰ 憂き世を笑いに!―戯画と世相
    9月4日(土)~9月26日(日)
  • PART Ⅱ 江戸っ子を驚かす!―武者と風景
    10月1日(金)~10月24日(日)

※ⅠとⅡで全点展示替え

9月6、13、21、27-30、10月4、11、18日は休館します。

「没後160年記念 歌川国芳」チラシ
「没後160年記念 歌川国芳」作品リスト

歌川国芳(1797~1861)は江戸時代後期に活躍した浮世絵師です。国芳は10代後半で浮世絵師としてデビューし、売れない不遇の時期を過ごしたあと、30代前半に描いた「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」シリーズで大ブレーク。以降は勇壮な武将を描いた武者絵や、コミカルな笑いを描いた戯画、独自の魅力にあふれた風景画、美人画、役者絵、子供絵など、ありとあらゆるジャンルを精力的に手掛け、多くの弟子も育てて浮世絵界を牽引しました。
2021年は歌川国芳の没後160年にあたります。この記念の年に、本展では国芳の生涯と作品を改めて紹介し、その魅力に迫ります。

歌川国芳「猫の当字 かつを」個人蔵(PARTⅠ)
歌川国芳「流行猫の曲手まり」個人蔵(PARTⅠ)

1.逆境をポジティブに乗り越える!

歌川国芳は、天保の改革の影響下における不安定な世情の中で、精力的に作品を描き続けたことで知られています。改革では、幕府によって庶民のさまざまな娯楽に厳しい統制が加えられ、浮世絵でも役者や遊女といった人気ジャンルを描くことが規制されました。そんな中、国芳が活路を見出したジャンルのひとつが戯画。擬人化された動物たちを描くなど、底抜けに明るくてユーモアたっぷりの戯画は庶民の間で大人気となります。中には当時の幕政を暗に風刺しているとして絶版になる作品もあり、奉行所の取り調べを受けることもありましたが、国芳はまったくへこたれず、創意工夫をこらした新たな作品を次々に生み出していったのです。
昨今ではコロナ禍により人々の楽しみが制限され、閉塞感のある状況が続いていますが、このような時代にこそ、国芳の底抜けに明るい作品やポジティブに生きる姿勢が、現代の私たちにも強く訴えかけてくるのではないでしょうか。

歌川国芳「里すゞめねぐらの仮宿」(PARTⅠ)
歌川国芳「源頼光公館土蜘作妖怪図」(PARTⅠ)

2. 巨大モチーフで度肝を抜かす!

歌川国芳は「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」シリーズの大ヒットで一躍人気絵師の仲間入りを果たします。武者絵の第一人者となった国芳ですが、それに満足することなく、常に新しい構図やテーマに挑むことを怠りませんでした。中でも国芳の武者絵を語る上で欠かせないのは、骸骨や鰐鮫など、大判3枚続きの大画面いっぱいに巨大なモチーフを描いた大迫力の作品群でしょう。50代にさしかかる頃から盛んに取り組んだ国芳の新境地に、江戸の人々は度肝を抜かれたに違いありません。

歌川国芳「相馬の古内裏」個人蔵(PARTⅡ)
歌川国芳「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」個人蔵(PARTⅡ)
歌川国芳「通俗水滸伝豪傑百八人之壹人 浪裡白跳張順」(PARTⅠ)
歌川国芳「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」 (PARTⅡ)

3.タブーに挑む!

歌川国芳は、浮世絵でタブーとなっている題材にも果敢に挑戦しました。その一例が絶版になったことで知られる『絵本太閤記』(武内確斎作・岡田玉山画)の世界を描いた作品です。豊臣秀吉や織田信長らが活躍した時代を題材にすることは幕府によって規制され、出版がはばかられていましたが、たとえば武将の名前を一部もじったり、あるいは織田信長の名を源義経などに置きかえ、源平合戦に仮託することで本能寺の変を描いたりしました。国芳はあの手この手でカムフラージュをして禁忌を出版しようと試みたのです。

歌川国芳「堀川夜討ノ図」(PARTⅡ)

4.没後160年の記念の年に国芳の名品が大集合!

国芳の魅力は、戯画や武者絵だけにとどまりません。洋風表現を取り入れた独特の風景画や、生き生きとしたさわやかな美人画など、さまざまな分野で魅力あふれる作品を残しています。国芳の没後160年を記念する本展覧会では、国芳の多岐にわたるジャンルの作品全160点を出陳。また国芳をより深く知っていただくために、展示を二期に分け、9月4日(土)~9月26日(日)は「PART I 憂き世を笑いに!―戯画と世相」、10月1日(金)~10月24日(日)は「PART II 江戸っ子を驚かす!―武者と風景」と題して全点を入れ替え、その魅力を掘り下げます。

歌川国芳「東都名所 かすみが関」(PARTⅡ)
歌川国芳「近江の国の勇婦於兼」(PARTⅡ)
歌川国芳「山海愛度図会 えりをぬきたい」(PARTⅡ)

月岡芳年「歌川国芳肖像」 (PARTⅠ)

見どころの作品

歌川国芳「道外とうもろこし 石橋の所作事」個人蔵(PARTⅠ)

毛を振り乱しておどっているのは、とうもろこしです。実はとうもろこしが扮しているのは、歌舞伎の「石橋(しゃっきょう)物」という踊りに登場する獅子の精。テレビなどで赤と白の長い髪を振り乱して踊る歌舞伎役者を目にしたことがあるかも知れませんが、あれと同じ系統の踊りをとうもろこしが踊っているという趣向です。
後ろにみえるのは長唄の太夫と笛で、どちらも擬人化された野菜となっています。左の太夫は唐茄子、右の笛はさつまいもでしょうか。野菜が歌舞伎を演じるというアイデアが斬新で、まさに国芳のユーモアを凝縮したような逸品といえるでしょう。
なお当時の江戸では蓮のような花をつけたとうもろこしや、鶏のような形のとうもろこしが生えたニュースが話題となっており、本図はそれをヒントに国芳が戯画に仕立てたものと考えられています。

参考図:胡蝶園春升「品川にてとうもろこし鶏に化したる図」個人蔵
※本展には出品されません

オンライン展覧会のご案内

本展の作品と解説をオンラインでもお楽しみいただけます。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。


入館料
一般1000円
大高生700円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

*リピーター割引のご案内*
会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示にて200円割引いたします(他の割引との併用不可)

*相互割引のご案内*
日本美術めぐり 山種美術館⇔太田記念美術館 2館相互割引

山種美術館「速水御舟と吉田善彦 ―師弟による超絶技巧の競演―」展と太田記念美術館「没後160年記念 歌川国芳」展では、それぞれの会期中入館料の相互割引をいたします。幕末の江戸で世相を反映した大胆な浮世絵を数々描き、多くの弟子を育てた歌川国芳。明治から大正・昭和と新しい日本画の表現を生み出した速水御舟とその弟子吉田善彦。渋谷界隈のふたつの展覧会を巡ることで、アートの秋をご堪能ください!

◆本展チケット半券のご提示により会期中割引料金でご覧いただけます。※山種美術館のオンラインチケットを購入された方は対象外
〈速水御舟と吉田善彦 ―師弟による超絶技巧の競演―〉
会期 2021年9月9日(木)~11月7日(日)
山種美術館(東京都渋谷区広尾3-12-36)

◆山種美術館「速水御舟と吉田善彦」展チケット半券または電子チケット画面のご提示により本展を会期中割引料金でご覧いただけます。
会期 2021年9月4日(土)~10月24日(日)

◆いずれも対象券1枚につき1名様有効。
◆入館チケットご購入時に受付にご提示ください。購入後の割引はできません。
◆他の割引との併用はできません。

開館日カレンダー

休館日

2021 09

休館日

1-3, 6, 13, 21, 27-30

2021 / 09

1-3, 6, 13, 21, 27-30

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2021 10

休館日

4, 11, 18, 25-28

2021 / 10

4, 11, 18, 25-28

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業

江戸の天気

2021年6月26日(土)~8月29日(日)

  • 前期 :6月26日(土)~7月25日(日)
  • 後期 :7月30日(金)~8月29日(日)

※前後期で全点展示替え

6月28、7月5、12、19、26-29、8月2、10、16、23日は休館します。

◇展覧会図録 「江戸の天気」1200円(税込)発売中

 全50ページ、展示作品は全て掲載しています。

「江戸の天気」チラシ
「江戸の天気」作品リスト

浮世絵にはさまざまな気象現象が描き込まれています。晴れわたる空、土砂降りの雨、しんしんと降る雪、雨あがりの虹。刻々と変わる天気を、浮世絵師たちは繊細な色彩の変化によって、あるいは大胆にデフォルメし表現してきました。
日本の、季節によって変化する多様な気候は、今も昔も人々の暮らしにも大きな影響をあたえています。江戸時代には大雨による洪水が度々おこり、また予期せぬ天候不順が飢饉を招くこともありました。科学の発達した現代においても、私達は天候をコントロールすることはできません。天気予報を頼りに日々の気象の変化に備えていますが、近年では大雨や酷暑など異常気象が話題となり、気候変動への関心も高まりつつあります。
本展では、絵の中の天気に注目し、葛飾北斎や歌川広重、小林清親らの手によって生み出された風景画をご紹介いたします。浮世絵師たちの個性あふれる表現を通して、うつろう空模様を愛でる日本人の美意識はもちろん、時には風雨に翻弄されながらも繰り広げられた人々の営みにも触れていただけることでしょう。

歌川広重「名所江戸百景 高輪うしまち」 前期
雨あがりの空に大きな虹がかかる。

小林清親「武蔵百景之内 隅田川水神森」後期
雨の上がった軒から雫が滴る。遠方の黒雲の下では激しい雨が降っている。

あらゆる雨を描く

小雨から雷雨まで、雨をテーマとした浮世絵作品はとても多彩です。なかには近年よく耳にするようになった「ゲリラ豪雨」を思わせる描写も見られます。形にしづらいさまざまな雨を、いかに表現するかは浮世絵師の腕のみせどころでもあり、また突然の雨によって日常がドラマチックに変化する様子も絵の題材として魅力的だったのでしょう。

小林清親「梅若神社」前期
歌川国貞「夕立景」後期

雪景色

江戸時代では雪の名所として隅田川のほか、愛宕山や寛永寺などが知られていました。浮世絵においても数多くの雪景色が描かれましたが、現代の東京では雪が積もることはめったにないため、少し不思議にも感じられます。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 礫川雪ノ旦」後期

歌川広重「木曽海道六拾九次之内 四拾七 大井」前期

さまざまな雲の形と空の色

伝統的なすやり霞や、赤や青のぼかしを用いた空。現実とは異なる、浮世絵ならではの空の表現も本展の見どころです。幾何学的な模様で稲妻を表し、一図に晴れと雷雨を表現した葛飾北斎「冨嶽三十六景 山下白雨」、大胆な配色が印象的な歌川広重「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」など、空の描写に独創性が発揮された作品の数々もご紹介いたします。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 山下白雨」前期
歌川広重「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」前期

異常気象を描く

明治時代に入ると、江戸幕府の統制下では題材とすることが難しかった時事的な災害や事件を、浮世絵でも取りあげるようになっていきます。そのなかで、都市部に大きな被害をもたらした大雨による河川の氾濫を伝える作品も描かれました。

蜂須賀国明「千住大橋吾妻橋 洪水落橋之図」前期
大洪水で落橋した千住大橋は吾妻橋に衝突し、2つの橋が流出した
作者不詳「怪雲現る」前期
竜巻状の雲を見上げる人々

見どころの作品

歌川広重「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」後期

隅田川に架かる新大橋(現・西岸が中央区、東岸が江東区)を見舞う夕立をとらえ、雨を描く浮世絵の名作として知られる1点です。
橋の上を駆けていく人々のなかには、茣蓙(ござ)をかぶる姿のほかにひとつの傘を3人で差す様子も見え、予期せぬ雨であったことが伝わります。画面を覆い尽くす雨足は、角度と濃淡の異なる2種の線を2枚の版木に彫って摺り出したもの。この描線と靄にかすむ対岸の安宅(あたけ)の描写とがあいまって、雨の強さと奥行きが巧みに表現されています。さらに雨雲の不穏な動きを表すのが、画面上部に施された「あてなしぼかし」と呼ばれる不定形のぼかし。激しい夕立と、それに慌てる人々の様子を再現するためにさまざまな技法が駆使されているのです。
広重晩年の大作《名所江戸百景》シリーズの1点でもある本作は、あらゆる天候を描き続けるなかで磨かれた、広重の感性と構成力が存分に発揮された逸品ともいえるでしょう。


入館料
一般800円
大高生600円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー

休館日

2021 06

休館日

7,14,21-25,28

2021 / 06

7,14,21-25,28

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2021 07

休館日

5,12,19,26-29

2021 / 07

5,12,19,26-29

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2021 08

休館日

2,10,16,23,30,31

2021 / 08

2,10,16,23,30,31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業

Digital×北斎【破章】 北斎VS広重 美と技術の継承と革新

鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵 ―朝日智雄コレクション

知られざるライバル―鏑木清方(かぶらき・きよかた)と鰭崎英朋(ひれざき・えいほう)

2019年、「築地明石町」が再発見されたことが話題となった鏑木清方(1878~1972)。日本画家として今でも広く知られていますが、明治30年代後半から大正5年頃にかけては、文芸雑誌や小説の単行本の口絵というジャンルで活躍していました。その時、清方と人気の双璧をなしていたのが、鰭崎英朋(1880~1968)です。清方と英朋は、月岡芳年の系譜に連なると共に、烏合会という美術団体に属した友人同士でもありました。清方と英朋による、明治の美しい女性たちを描いた口絵の名品を紹介します。

鏑木清方 菊池幽芳・著『百合子 後編』口絵 大正2年(1913) (C)Akio Nemoto

鏑木清方 菊池幽芳・著『小ゆき 後編』口絵 大正2年(1913)  (C)Akio Nemoto

鰭崎英朋 柳川春葉・著『誓 前編』口絵 大正4年(1915)
鰭崎英朋 柳川春葉・著『誓 中編』口絵 大正6年(1917)

知られざる超絶技巧の木版画

明治20年代後半から大正初期にかけて、文芸雑誌や小説の単行本の巻頭には、木版による口絵が付されました。物語の世界を華やかに彩る木版口絵は、江戸時代から続く浮世絵版画の系譜に連なるだけでなく、江戸の技術を遥かに上回る精緻な彫りや摺りが施されています。しかしながら、現在の浮世絵研究ではほとんど顧みられることがなく、忘れられたジャンルとなってしまいました。木版口絵のコレクターである朝日智雄氏の所蔵品の中から約110点を厳選し、歴史に埋もれた口絵の美しさにスポットをあてます。

鏑木清方 小杉天外・著『にせ紫 後編』口絵 明治38年(1905)  (C)Akio Nemoto

鰭崎英朋 泉斜汀・著『深川染 前編』口絵 明治40年(1907)

知られざる挿絵画家たち―桂舟、永洗、年方、半古

文芸雑誌や小説の単行本の巻頭に付された口絵は、明治20年代後半頃から、さまざまな絵師たちによって手掛けられ、その人数は100人以上におよびます。清方や英朋が登場する以前、人気を誇っていた絵師を挙げるとするならば、武内桂舟(1861~1943)、富岡永洗(1864~1905)、水野年方(1866~1908)、梶田半古(1870~1917)でしょう。中でも、水野年方は鏑木清方の師匠であり、清方の画業を考える上で欠かすことのできない人物です。清方や英朋と共に、4人の知られざる挿絵画家たちについてご紹介します。

武内桂舟 「美人撲蛍」(『文芸倶楽部』第3巻10編口絵) 明治30年(1897)
富岡永洗 水谷不倒・著『枯野の真葛』口絵 明治30年(1897)
梶田半古 「菊のかをり」(『文芸倶楽部』第11巻第13号口絵) 明治38年(1905)

水野年方 村上浪六・著『当世五人男のうち 倉橋幸蔵 続編』口絵 明治35年(1902)

見どころの作品

鰭崎英朋 泉鏡花・著『続風流線』口絵 明治38年(1905)

泉鏡花の小説『続風流線』の巻頭に付された口絵です。竜巻に襲われて船が転覆し、湖に落ちた美樹子を、多見治が救助する場面を描いています。画面いっぱいに流れる水が描かれ、水の中の2人の体がうっすらと見えるという、斬新な構図と高度な摺りの技法が兼ね備えられた作品です。
泉鏡花と鏑木清方の関係はさまざまに紹介されていますが、鰭崎英朋も泉鏡花と深いつながりがありました。鏡花の小説に多くの挿絵を描いているだけでなく、個人的な親しい交流もしていました。

新型コロナの影響で中止になった展覧会が復活

本展覧会は、昨年2月に開催しましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会期を3週間以上残しながらも途中で開催中止となってしまいました。しかしながら、これまでスポットの当たってこなかった絵師や作品を、どうしても多くの人にご覧いただきたいという学芸員の思いから、展示スケジュールを調整し、再び同じ内容で開催することにいたしました。こだわりの展覧会、ぜひお見逃しなく。


入館料
一般1000円
大高生700円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー

休館日

2021 05

休館日

6,10,17-20,24,31

2021 / 05

6,10,17-20,24,31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2021 06

休館日

7,14,21-25,28

2021 / 06

7,14,21-25,28

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業