生誕290年記念 勝川春章 -北斎誕生の系譜

特別展
2016年2月2日(火)~3月27日(日)
前期:2016年2月2日(火)~2月28日(日)
後期:2016年3月4日(金)~3月27日(日)
※前後期で展示替え

2月8・15・22・29/3月1~3・7・14・22日は休館となります。

 

北斎の師匠にして、写楽のルーツ

勝川春章「五代目市川団十郎の股野の五郎景久 初代中村里好の白拍子風折 三代目沢村宗十郎の河津の三郎祐安」(後期)

勝川春章(1726?~1792)は人気の歌舞伎役者や力士たちを、似顔絵を用いた写実的な作風で描き、一世を風靡した浮世絵師です。晩年には、緻密な肉筆美人画を手がけたことでも知られています。春章の門下には春好、春英、春潮ら人気絵師が出て活躍し、勝川派は浮世絵界で大きな勢力を誇りました。あの葛飾北斎も、若いころ春章の門を叩き、勝川春朗という名前で青年時代を過ごしています。そして春章が発展させた役者似顔絵の手法は、東洲斎写楽や歌川豊国ら、のちの浮世絵師たちにも多大な影響を与えました。つまり春章の存在無くして、北斎や写楽が世にでることはなかったとも言えるのです。 2016年は勝川春章の生誕290年にあたります*。本展は、勝川春章の版画を中心とした名品を展観するとともに、同時代を生きた絵師たちや勝川派の門下、北斎や写楽といった春章が影響を与えた絵師たちの作品を幅広く紹介し、春章の画業と生涯に迫ります。*生年を享保11年とした場合。

1. 写楽のルーツ ―役者絵のパイオニア

勝川春章は、明和(1764~72)中頃から、役者絵を精力的に手掛けます。一筆斎文調とともに手がけられた役者絵は、それまで主流であった鳥居派と異なり、役者の似顔をリアルにとらえた斬新なもので、一世を風靡します。似顔だけでなく、役者の人体や衣服のリアリティも追求した勝川派の作風は役者絵の主流となり、その流れの中で弟子の春好・春英や、東洲斎写楽、歌川豊国も登場するのです。その意味では、春章の活躍なくして、幕末へと続く役者絵の流れは生まれなかったといっても良いでしょう。

勝川春章 「五代目市川団十郎のさかたの金時 三代目瀬川菊之丞のまいこ妻菊 実ハ大和国かつらき山女郎くものせい」(前期)

勝川春好 「二代目市川門之助の曽我五郎」(前期)

東洲斎写楽 「初代市川鰕蔵の竹村定之進」(後期)

2.飽くなき挑戦-相撲絵・美人画・武者絵など

春章が絵師としての活動をスタートさせた時期は遅く、40才前後と考えられています。春章や勝川派の役者絵は大好評となりますが、春章はそれに飽きたらず、美人画や武者絵、相撲絵といった多彩なジャンルを手掛けました。中でも、春章がそのジャンルを確立したといっても過言ではない相撲絵や、当時から高い評判を呼んだ肉筆美人画は、50代に入ってからの業績であり、老境に差し掛かっても挑戦をし続けた春章の姿勢を感じ取ることができます。

勝川春章 「西方 江戸 柏戸勘太夫 大坂 稲川政右エ門」(前期、太田記念美術館寄託石黒コレクション)

勝川春章 「福神笑顔くらべ」(後期)

勝川春章 「五條橋」(前期)

3.北斎の師匠―勝川派を率いたリーダー

春章は面倒見の良い人物だったと見え、沢山の門下を育てています。春章の一番弟子であり、師風を忠実に守った勝川春好、柔らかく洒脱な作風で知られる勝川春英、清長風の美人画を描いた春潮などが有名ですが、あの葛飾北斎も若いころ春章に入門し、勝川春朗の名で35才頃まで活動をしています。春好などの兄弟子と不仲だったという逸話も残る北斎は、春章の死後、勝川派を飛び出し、以降さまざまな画歴を経て、70才を過ぎてから「冨嶽三十六景」などの代表作を生み出すのです。

勝川春潮 「飛鳥山花見」(前期)

葛飾北斎 「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(後期)

勝川春英 「おしゑ形 (枕獅子)」(後期)

勝川春朗(北斎)「初代中村仲蔵」(後期)

<見どころの一点>
勝川春章「ふみ月 たなばた 草市」(前期) 明和(1764~1772)末頃

画面が斜めの線で分割されたデザインが目を引きます。12月の様々な行事を、昼と夜に分けて描くというユニークな趣向のシリーズ物の一点。12点のうち、勝川春章が4点を描き、他に北尾重政、歌川豊春という当時新進の人気絵師たちが4点ずつ競作したコラボレーション作品です。春章が描いた本図に描かれるのは文月、つまり7月の行事で、画面右上は「七夕」、画面左下が「草市」となっています。そのうち「七夕」は現在でも馴染みの深い7月の行事。本図は星空のもと、家々の屋根に七夕飾りがたなびくという図様が印象的です。また「草市」とは盆の行事に用いるものを売る市のこと。画面右には花売りの少年が描かれ、左の女性二人が声をかけています。橋のたもとに描かれる犬は気持ちよく寝入っているようです。春章による初期の美人画の佳作といえるでしょう。

※勝川春好「三代目坂田半五郎の正月屋庄兵衛実は紀名虎」(前期)は都合により展示が中止となりましたので予めご了承ください。

春章をめぐる入館料相互割引プラン

本展チケットを出光美術館の下記展覧会でご提示いただくと、100円割引でご覧いただけます。また、下記展覧会のチケットを当館でご提示いただくと、本展、「生誕290年記念 勝川春章-北斎誕生の系譜」を100円割引でご覧いただけます。
(1枚につき1名様、1回限り有効)※他の割引との併用はできません。

出光美術館
入館料

リピーター割引あり(会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示にて200円割引)
(チケット購入時に半券をご提示下さい。 ※割引の併用はできません。)

一般1000円
大高生700円
中学生以下無料
開館日カレンダー

休館日

    

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