コレクション15

溪斎英泉 今よふすかた

横大判錦絵 26.0×38.0㎝ 文政後期~天保前期(1823~33)頃

 芸者と思しき女性が、懐紙を手に、ふと顔を上げた瞬間である。下唇は、当時流行の笹紅という化粧法により、妖しい玉虫色の輝きを見せている。英泉らしい、妖艶な色香を漂わせた女性像と言えよう。本図は、英泉の美人大首絵の揃物の中でも珍しい、横型の構図。この他に4図がシリーズとして確認されているが、いずれも、「泉」の文字をデザイン化した枠の中に題名を記し、桜の花が添えられている。

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