コレクション3

喜多川歌麿 美人読玉章図

絹本著色一幅 84.3×29.3㎝ 寛政中期(1793~96)頃

 玉章(たまずさ)とは手紙のこと。吉原遊廓の遊女が、恋人から送られた長い恋文を熱心に読みふけっている場面である。高位の遊女であるのか、その衣装は豪華で洒脱。黒い絽の夏衣装の裾には、金糸で銀杏が、銀糸で楓の葉があしらわれている。また、帯も、鶴と雲の模様が金糸で縫い付けられている。さらに、足元には団扇と蛍の入った虫籠が置かれており、夏の風情を感じさせる。
 なお、本図と同じく、蔦の紋の入った黒の絽の衣装を着た遊女の姿が、「当時全盛美人揃 越前屋唐土」で描かれていることが指摘されており、江戸町一丁目にあった越前屋の遊女、唐土(もろこし)がこの図のモデルとなっている可能性が考えられる。

    

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