没後160年記念 歌川広重

特別展
2018年9月1日(土)~10月28日(日)
前期 9月1日(土)~24日(月祝) 後期 9月29日(土)~10月28日(日)
※前後期で全点展示替え
 
9月3日、10日、18日、25日~28日、10月1日、9日、15日、22日は休館します。
 

 

歌川広重「月に雁」(太田記念美術館蔵)前期

日本各地の風景を叙情豊かに描いた浮世絵師、歌川広重(1797~1858)。「東海道五拾三次之内」や「名所江戸百景」といった代表作は、日本のみならず海外でも広く知られています。今年2018年は、広重が亡くなってから160年にあたる節目の年。太田記念美術館ではそれを記念して、広重の画業の全貌を紹介する展覧会を開催いたします。

歌川広重「東海道五拾三次之内 庄野 白雨」(太田記念美術館蔵)後期

9月6日は広重の命日。今年は没後160年。

広重が亡くなったのは安政5年(1858)9月6日。墓所である東岳寺(東京都足立区)では毎年法要も営まれています。その命日に重なるよう、没後160年記念展を開催いたします。太田記念美術館のコレクションの中でも、最も点数が多いのが広重の作品。その中から、代表作である「東海道五拾三次之内」や「名所江戸百景」を含め、選りすぐりの広重の名作をご紹介します。太田記念美術館では13年ぶりに開催される大回顧展となります。

歌川広重「東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪」(太田記念美術館蔵)前期

歌川広重「木曽海道六拾九次之内 三拾貳 洗馬」(太田記念美術館蔵)後期

名品から珍品まで、広重の全貌に迫る。

歌川広重「雪月花の内 月の夕部」(太田記念美術館蔵)前期

広重の代表作と言えばもちろん風景画ですが、広重は美人画や花鳥画、戯画など、さまざまなジャンルの浮世絵を描いています。普段は紹介されることの少ないこれらのジャンルの作品も含め、200点以上展示します(前後期で全点展示替え)。もしかしたら、広重のイメージが変わるかも知れません。

歌川広重「鯛 鯉 鰹」(太田記念美術館蔵)後期

歌川広重「東都名所 高輪之明月」(太田記念美術館蔵)前期

歌川広重「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」(太田記念美術館蔵)前期

歌川広重「冨士三十六景 駿河薩タ之海上」(太田記念美術館蔵)後期

ハロウィンの元祖?

10月と言えば、ここ数年人気の高まっているハロウィン。広重の作品の中に、ハロウィンの仮装パーティーの元祖では?と思うような人が描かれています。大勢の人たちでにぎわう中、タコの着ぐるみを着ている謎の男性。実はこの作品、二十六夜待ちという江戸時代の行事を描いたものです。二十六夜待ちとは、旧暦7月26日の夜、月の出を拝もうという行事のこと。芝高輪の海岸付近では、茶屋や船の上で宴会を開きながら、月の出を待つ人で溢れていました。 タコの着ぐるみを着ている男性は、俄(にわか)という、素人たちが即興で踊りや芝居をするグループの一人なのです。俄では仮装をすることが多く、タコの男性の隣には漁師に扮した男性がいます。もちろんハロウィンと直接のつながりはありませんが、江戸時代の人々も仮装を楽しんでいた様子がうかがえます。 ちなみにこの作品、寿司屋、天ぷら屋、蕎麦屋など、庶民たちに親しまれた屋台の様子が描かれているのも特徴です。江戸のグルメ文化を知る上でも面白い作品と言えるでしょう。

歌川広重「東都名所 高輪廿六夜待遊興之図」(太田記念美術館蔵)後期

 

この秋、日本各地で、広重没後160年展が開催

歌川広重の名前を冠した美術館が日本各地に4つもあるのはご存知でしょうか? しかも、山形県、栃木県、静岡県、岐阜県と全国に広がっています。この秋、日本各地の広重美術館が連携し、広重の没後160年を記念した展覧会を開催します。全国に広がる広重人気を体感してください。
山形県天童市鎌田本町1-2-1
広重が描く日本の風景
2018年8月31日(金)~10月29日(月)
栃木県那須郡那珂川町馬頭116-9
大広重展-肉筆浮世絵と錦絵の世界-
2018年7月14日(土)~9月24日(月)
静岡県静岡市清水区清水区由比297-1
めいしょ広重
2018年8月14日(火)~11月25日(日)
岐阜県恵那市大井町176-1
木曽海道六拾九次之内 2018年8月30日(木)~9月30日(日) 原安三郎コレクション公開 北斎と広重展 2018年10月4日(木)~12月2日(日)

*本展会期中、当館ご入場時に上記の4館いずれかの広重展チケット半券のご提示で、入館料を100円割引いたします。また、当館のチケット半券を他の施設へお持ちいただくと、入館料が割引になります。1枚につき1名、割引の併用はできません。詳しくはこちら

   

見どころの作品 ―美しき広重ブルー―

歌川広重「東海道五拾三次之内 沼津 黄昏図」(太田記念美術館蔵)前期

                         

有名な保永堂版東海道五十三次の中で、唯一、月景色をテーマにした作品です。 日が沈み、すっかり薄暗くなった時刻。満月の月明かりに照らされながら、3人の旅人たちが静かに歩を進めています。先を歩くのは二人連れの比丘尼、後ろで巨大な天狗の面を背負っているのは金比羅参りの男性でしょう。奥に見える橋を渡れば、沼津宿に入ります。 夜空と川には、海外から輸入されたベロ藍という絵具が用いられ、「広重ブルー」と称された美しい青の世界を演出しています。心穏やかに満月を眺める、秋の季節には最適の名品でしょう。

入館料
一般 1000円
大高生 700円
中学生以下 無料
※会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示にて200円割引。 ※広重美術館、那珂川町馬頭広重美術館、静岡市東海道広重美術館、中山道広重美術館のいずれかの広重展チケット半券のご提示にて100円割引。 ※障碍者手帳をご提示いただくと、ご本人様とお付添1名まで、100円割引。 ※団体(10名様以上)は1名あたり100円割引。事前にお申込みをお願いいたします。 ※割引の併用はできません。 ※中学生以上の学生は学生証をご提示ください。  
開館日カレンダー
休館日    

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