没後160年記念 歌川広重
9月6日は広重の命日。今年は没後160年。
広重が亡くなったのは安政5年(1858)9月6日。墓所である東岳寺(東京都足立区)では毎年法要も営まれています。その命日に重なるよう、没後160年記念展を開催いたします。太田記念美術館のコレクションの中でも、最も点数が多いのが広重の作品。その中から、代表作である「東海道五拾三次之内」や「名所江戸百景」を含め、選りすぐりの広重の名作をご紹介します。太田記念美術館では13年ぶりに開催される大回顧展となります。名品から珍品まで、広重の全貌に迫る。
ハロウィンの元祖?
10月と言えば、ここ数年人気の高まっているハロウィン。広重の作品の中に、ハロウィンの仮装パーティーの元祖では?と思うような人が描かれています。大勢の人たちでにぎわう中、タコの着ぐるみを着ている謎の男性。実はこの作品、二十六夜待ちという江戸時代の行事を描いたものです。二十六夜待ちとは、旧暦7月26日の夜、月の出を拝もうという行事のこと。芝高輪の海岸付近では、茶屋や船の上で宴会を開きながら、月の出を待つ人で溢れていました。 タコの着ぐるみを着ている男性は、俄(にわか)という、素人たちが即興で踊りや芝居をするグループの一人なのです。俄では仮装をすることが多く、タコの男性の隣には漁師に扮した男性がいます。もちろんハロウィンと直接のつながりはありませんが、江戸時代の人々も仮装を楽しんでいた様子がうかがえます。 ちなみにこの作品、寿司屋、天ぷら屋、蕎麦屋など、庶民たちに親しまれた屋台の様子が描かれているのも特徴です。江戸のグルメ文化を知る上でも面白い作品と言えるでしょう。
この秋、日本各地で、広重没後160年展が開催
歌川広重の名前を冠した美術館が日本各地に4つもあるのはご存知でしょうか? しかも、山形県、栃木県、静岡県、岐阜県と全国に広がっています。この秋、日本各地の広重美術館が連携し、広重の没後160年を記念した展覧会を開催します。全国に広がる広重人気を体感してください。
山形県天童市鎌田本町1-2-1 |
広重が描く日本の風景
2018年8月31日(金)~10月29日(月) |
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栃木県那須郡那珂川町馬頭116-9 |
大広重展-肉筆浮世絵と錦絵の世界-
2018年7月14日(土)~9月24日(月) |
静岡県静岡市清水区清水区由比297-1 |
めいしょ広重
2018年8月14日(火)~11月25日(日) |
岐阜県恵那市大井町176-1 |
木曽海道六拾九次之内 2018年8月30日(木)~9月30日(日) 原安三郎コレクション公開 北斎と広重展 2018年10月4日(木)~12月2日(日) |
見どころの作品 ―美しき広重ブルー―
歌川広重「東海道五拾三次之内 沼津 黄昏図」(太田記念美術館蔵)前期
有名な保永堂版東海道五十三次の中で、唯一、月景色をテーマにした作品です。 日が沈み、すっかり薄暗くなった時刻。満月の月明かりに照らされながら、3人の旅人たちが静かに歩を進めています。先を歩くのは二人連れの比丘尼、後ろで巨大な天狗の面を背負っているのは金比羅参りの男性でしょう。奥に見える橋を渡れば、沼津宿に入ります。 夜空と川には、海外から輸入されたベロ藍という絵具が用いられ、「広重ブルー」と称された美しい青の世界を演出しています。心穏やかに満月を眺める、秋の季節には最適の名品でしょう。
入館料
一般 | 1000円 |
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大高生 | 700円 |
中学生以下 | 無料 |
開館日カレンダー
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2018年9月
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