浮世絵動物園
後期 5月2日(火)~28日(日)
帰ってきた「浮世絵動物園」~猫から龍まで大集合~
ペットとして愛された猫や金魚、擬人化されたタコや狐、龍や河童。2010年に多彩な動物を描く浮世絵をご紹介し好評を博した「浮世絵動物園」展がパワーアップして帰ってきます。展示総数は前回の2倍となる約160点。前回をご覧になった方もそうでない方も、きっとお気に入りの動物に出会えるはず。この春は美術館でもかわいい動物の姿をお楽しみください。
国芳だけじゃない!巨匠たちの動物くらべ
動物を描く浮世絵と言えば、歌川国芳によるかわいい猫の絵を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし、動物を得意としたのは国芳だけではありません。本展には鈴木春信、葛飾北斎、歌川広重、月岡芳年、河鍋暁斎といった名だたる絵師たちが登場。それぞれの個性が発揮された動物描写も注目です。
擬人化された動物たち~遊ぶ・食べる・喧嘩する~
国宝「鳥獣戯画」(平安~鎌倉時代)からディズニー映画まで、擬人化された動物の活躍は長く愛されてきました。浮世絵でもタコが踊り、鳥が芸を披露し、猫はお蕎麦を食べて。ほかにも相撲をとったり喧嘩したりと大忙し。身近な動物たちが江戸っ子さながらに振る舞う愉快な姿は、本展の見どころのひとつです。
珍獣いろいろ
全ての干支を合体させた「家内安全ヲ守 十二支之図」のように、実際には存在しない空想上の動物も描かれました。一方で、舶来し見世物として話題を呼んだ象や豹を写した絵、珍しい生物を図鑑の挿絵のように精緻に描写した作品も残されます。絵師たちは創造力と観察眼とを発揮しながら様々な珍獣の絵を世に送り出したのです。
暮らしのなかの動物
暦や時間、方位を表す際に干支を用い、労働力として牛や馬が欠かせなかった江戸時代。浮世絵にはペット以外にも暮らしに溶け込んだ動物が様々に登場しており、はては着物にも多くの動物模様が見いだせるほど。こうした作品は人々と動物との関係が現代よりも密接であったことをうかがわせます。
<見どころの一点>
歌川芳豊「中天竺馬爾加国出生新渡舶来大象之図」前期展示
動物園に行けば必ず目にする象。子供から大人まで人気の動物ですが、江戸時代には日本に生息していない珍獣中の珍獣でした。絵のモデルは幕末の文久2年(1862)、アメリカ船がマラッカから横浜にもたらした象で、本図は翌3年、両国での見世物興行の際に制作されたものです。この象はなんと10年以上も日本全国を巡業しました。長い鼻を器用につかう愛嬌のある姿はお馴染みのものですが、画中文字には「一度此霊獣を見る者ハ七難を即滅し七福を生ず」とあります。つまり、福を呼ぶご利益のあるありがたい動物として宣伝されているのです。現代人とは異なる江戸っ子の象への眼差しがうかがわれます。
イベント
学芸員によるスライドトーク
展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。
日程 | 2017年4月8(土)、11日(火)、19日(水)、 5月11日(木)、17日(水)、23日(火) |
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時間 | 14:00~(40分程度) |
場所 | 太田記念美術館 視聴覚室(B1) |
参加方法 | 申込不要 参加無料(要入場券) |
入館料
一般 | 700円 |
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大高生 | 500円 |
中学生以下 | 無料 |