没後30年記念 笠松紫浪 ―最後の新版画
2021年2月2日(火)~3月28日(日)
- 前期 :2月2日(火)~25日(木)
- 後期 :3月2日(火)~28日(日)
※前後期で全点展示替え
2月1、8、15、22、26-3月1、8、15、22日は休館します。
最後の新版画家・笠松紫浪
笠松紫浪(1898~1991)は、大正から昭和にかけて活躍した絵師です。鏑木清方に入門して日本画を学び、大正8年(1919)、版元の渡邊庄三郎から新版画を刊行しました。その後、昭和7~16年(1932~41)には、モダンな東京の街並みや温泉地の風情を淡い色彩で表現した新版画を、数多く制作しています。戦後は渡邊庄三郎から離れ、昭和27~34年(1952~59)、芸艸堂から版画作品を刊行しました。新版画の初期から関わり、戦後になっても精力的に版画を制作し続けたという意味で、紫浪は「最後の新版画家」であると言えるでしょう。
今、注目される新版画
そもそも新版画とは、大正から昭和にかけて、絵師、彫師、摺師の協同作業によって制作された木版画のことを指します。版元である渡邊庄三郎が提唱し、さまざまなジャンルの絵師たちによって、新しい時代に見合った版画芸術が次々と生み出されていきました。
近年、この新版画に注目が集まっています。風景を得意とした川瀬巴水は根強い人気を誇っていますし、可愛らしい鳥を描いた小原古邨は、2年ほど前から突如、脚光を浴びるようになりました。また、吉田博は、本展と同時期、上野の東京都美術館にて、没後70年を記念した大規模な展覧会が予定されています。
知られざる笠松紫浪の新版画の全貌を紹介
笠松紫浪の画風は、川瀬巴水と類似しているためか、これまでほとんど注目されてきませんでした。しかしながら、その淡い色彩による風景は、巴水とは違った、独自の魅力にあふれていると言えるでしょう。
笠松紫浪は、令和3年(2021)に没後30年を迎えます。本展は、それを記念して、紫浪の新版画の全貌を紹介いたします。渡邊木版画舗から刊行された、大正・昭和前期の新版画をはじめ、戦後、渡邊金次郎や芸艸堂が制作した版画作品など、展示点数は約130点(前期と後期で全点展示替え)というボリュームとなっています。
見どころの作品
笠松紫浪「うろこ雲」(渡邊木版美術画舗蔵)後期
農夫が鎌を片手に、うろこ雲が浮かぶ空をぼんやりと見上げています。淡いグラデーションによって表現された空の広がりが印象的な作品です。この作品は、笠松紫浪が、渡邊庄三郎から刊行した新版画のうち、最初期に手掛けた1点にあたります。大正8年(1919)のこの時、紫浪はまだ21歳。一人前の絵師として活躍し始めたばかりでした。渡邊庄三郎が川瀬巴水の新版画を制作し始めたのが、その前年である大正7年(1918)。新版画の方向性を模索していた渡邊庄三郎によって、紫浪の若き才能は早くも見出されたのです。
オンライン展覧会のご案内
太田記念美術館ではnoteを利用したオンライン展覧会を実施しています。
不要不急の外出の自粛が求められ、気軽に美術館にお越しいただくには難しい状況の中、どうしても行けないという方にもご自宅で展覧会をお楽しみいただけるよう、展示中の作品をインターネット上に公開しました。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。
入館料
一般 | 1000円 |
大高生 | 700円 |
中学生以下 | 無料 |
*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
*団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。
*リピーター割引のご案内*
会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示にて200円割引いたします(他の割引との併用不可)
開館日カレンダー
■休館日
休館日
1,8,15,22,26-28
2021 / 02
1,8,15,22,26-28
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
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休館日
1,8,15,22
2021 / 03
1,8,15,22
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
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