江戸の悪 PARTⅡ
後期 6月30日(土)~7月29日(日)
人はなぜ、悪に、惹かれるのか
人は何故「悪」に惹きつけられるのでしょうか。ドラマや映画、小説などで、悪役は時に主人公を凌ぐほどの魅力をはなつことが少なくありません。そして江戸を生きた人々も、すでにこの「悪」の持つ底知れぬ魅力に気づいていたようです。例えば世間を騒がせた大盗賊が市中引き回しになると、その姿を一目見ようと街道は群衆で埋め尽くされたと言います。また元禄赤穂事件などの大事件はすぐに芝居にも移され、吉良上野介は稀代の悪人としてのイメージを定着させていきます。幕末には、盗賊が登場する「白浪物」の芝居が流行し、盗賊や小悪党が人気を呼びました。当時の人たちは現実、虚構を問わず、「悪」の持つ魅力に好奇心を抱き、時に酔いしれたのです。
さまざまな悪人たちのイメージを、描かれた浮世絵から探る本展覧会は、2015年に開催して好評を博した同名の展覧会のパワーアップ版。鼠小僧次郎吉などの盗賊、幡随院長兵衛などの侠客、悪の権力者、悪女、悪の妖術使いなど、実在した悪人から物語に登場する架空の人物まで-江戸の「悪い人」たちが、人数も倍増して、ふたたび大集合いたします。
I 盗賊・侠客・浪人から悪の権力者・悪女・悪の妖術使いまで― 江戸の「悪い人」たち、ふたたび大集合。
石川五右衛門などの大盗賊、雁金五人男などの侠客、斧定九郎などの浪人、悪の権力者、悪女、悪の妖術使いなど、江戸時代にはまっとうな道からはずれたアウトローや悪人たちが人気となり、さまざまな脚色がほどこされて芝居や小説などに登場しました。伝説上・架空の人物から当時の江戸を騒がした実在の大盗賊まで、江戸の「悪い人」たちがふたたび大集合します。
Ⅱ 恋と悪
歌舞伎で好まれたのが、時に現代の昼ドラも顔負けのどろどろとした恋愛模様。例えば怪談物の名作「東海道四谷怪談」では民谷伊右衛門とお岩を中心に、屈折した恋愛感情の中で数々の悪事が行われます。また「清玄桜姫物」の芝居に登場する、死してなお桜姫に執着し続ける破戒僧・清玄は、元祖ストーカーとも言えるでしょう。
Ⅲ 善と悪のはざま
一口に「善」と「悪」と言っても、その境界は実に曖昧です。芝居では佐野次郎左衛門のように善人がひどい侮辱を受け、とうとう我慢できずに多くの人を殺傷する筋があり、また「義経千本桜」のいがみの権太のように、小悪党が最後に善行をして死んでいくという物語もあります。善と悪を行き来する筋立ては非常に魅力的であり、当時の人たちの心を掴んだのでしょう。
入館料
一般 | 1000円 |
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大高生 | 700円 |
中学生以下 | 無料 |
※会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示にて200円割引(他の割引との併用不可)
◆多分野連携展示【悪】相互割引
入場券ご購入時に以下のいずれかをご提示いただくと、100円割引にてご入場いただけます。
・ヴァニラ画廊「HN【悪・魔的】コレクション~evil devil~」展パンフレットに付属のクーポン
・東洋文庫ミュージアム「悪人か、ヒーローか Villain or Hero」展入場料のレシート
(1枚につき1名様、1回限り有効、割引の併用はできません)