江戸の土木
浮世絵から読み解く、江戸の土木
土木とは、道路や河川、橋梁、港湾などを造る建設工事のこと。近年、東京では各所で再開発が進み、大規模な土木工事や建設が盛んに行われています。一方、橋やダム、河川、地形など、土木に関連するジャンルがマニアックな人気を呼び、書籍や雑誌などのメディアで取り上げられる機会も増えています。 時代をさかのぼってみると、東京のルーツである江戸は、幕府による天下普請を始めとした、さまざまな土木工事によって発展した都市でした。本展は歌川広重や葛飾北斎など、浮世絵師たちが描いた作品を手がかりとして、江戸の土木を読み解く展覧会です。
100万都市・江戸を生み出した土木工事
徳川家康が幕府を開いてから、100年ほどで人口100万を超える大都市となった江戸。江戸の町を大きく発展させる土台となったのが、高度な土木技術による市街地の造成やインフラなどの整備でした。江戸城と外濠・内濠の建設、日比谷入江、築地、深川などの埋立、小名木川や神田上水といった運河や上水の整備、両国橋や日本橋などに代表される橋の架橋、寛永寺や増上寺といった巨大寺院の建設など、大規模な土木工事の例は枚挙に暇がありません。
再開発エリアのルーツは江戸にあり?
近年、東京では、渋谷ストリームや東京ミッドタウン日比谷などのような、大規模な再開発エリアの建設が注目を浴びています。しかし歴史をさかのぼると、実は江戸時代から、遊廓や芝居町など、商業地の移転や再開発が度々行われているのです。新吉原のような遊廓や猿若町のような芝居町、わずか十数年で姿を消した幻の繁華街・中洲などは、再開発エリアのルーツと言えるかもしれません。
見どころの作品
作者不詳「浅草寺大塔解釈」 / 歌川広重「名所江戸百景 浅草金龍山」
浮世絵にみる、江戸の震災と復興
東日本大震災からの復興に向けた取り組みが今も続けられています。江戸の町も、しばしば火災や地震などの災害に見舞われましたが、その度に人々は町の復興を目指し、市中の至るところで大規模な建設工事が行われたのです。 幕末の江戸を襲った災害として、安政2年(1855)に起きた安政の大地震がよく知られています。江戸市中に甚大な被害を出したこの地震では、浅草寺は倒壊こそ免れましたが、五重塔の頂上の九輪が曲がってしまいました。左の作品は、その際の五重塔を描いたものです。そして右は、安政の大地震の翌年に広重が描いた揃物「名所江戸百景」中の一点。本図には雷門ごしに、九輪がまっすぐになった五重塔が描かれています。この絵が出版されたのは九輪の修理が完成した安政3年5月の直後であることから、浅草寺の修復事業を記念した、安政の大地震からの復興を象徴するような作品であるとの見方があります。
歌川国芳「子供遊土蔵之上棟」(個人蔵)は10月10日~10月24日までの展示となります。
入館料
一般 | 800円 |
大高生 | 600円 |
中学生以下 | 無料 |
- 中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)
新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。- 障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
- その他各種割引についてはお問い合わせください。
- 料金は消費税込み。
開館日カレンダー
休館日
5-9,12,19,26
2020 / 10
5-9,12,19,26
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
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休館日
2,9-13,16,24,30
2020 / 11
2,9-13,16,24,30
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
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