コレクション9
鈴木春信 水仙花
炬燵に入って暖をとっている若衆と少女。若衆が本を読むふりをして、少女に足でちょっかいをだしたのだろうか。少女はお返しとばかり、若衆の足の裏をくすぐっている。仲睦まじい光景だが、猫はまったくの無関心なようで、炬燵の上でぐっすりと眠っている。 本図は、花を題名に、それに因んだ和歌を賛として添えたシリーズで、縁側には水仙の一輪挿しが置かれている。賛は「花姿霜にしやれたる水仙は 葉さへひとねち人をなすます」。なお、本図の他に「椿」「梅」「闇夜梅」「花王」「杜若」「萩」の六図が確認されている。