コレクション7

初代鳥居清倍 二代目市川団十郎の竹ぬき五郎 初代三升屋助十郎の曽我十郎

横大判墨摺絵 30.0㎝×43.5㎝ 享保2年(1717)2月

 二代目市川団十郎扮する曽我五郎が左腕で竹の太い幹を抱え、虎と対峙する。画面右からその光景を眺めるのは、膝に見える紋から三升屋助十郎演じる曽我十郎とわかる。墨摺りの画面ながら、肥痩にとんだ描線で荒事の豪放さを表現する。享保2年(1717)2月中村座「街道一棟上曽我 (かいどういちむねあげそが)」に取材。享保2年4月の評判記「野傾髪透油(やけいかみすきあぶら)」に「其後虎と組あふて大竹を持て所作事」とあり、本図はその場面を描いたものと思われる。竹抜き五郎は、初代市川団十郎の荒事を代表する役として知られる。

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