明治維新150年 幕末・明治 ―激動する浮世絵

企画展
2018年1月5日(金)~2月25日(日)
前期 1月5日(金)~28日(日)
後期 2月2日(金)~25日(日)
※前後期で展示替え
 
1月9、15、22、29~2月1、5、13、19日は休館します。
 

 

 

今から約150年前、長らく続いた江戸幕府が崩壊し、新たに明治政府が樹立するという、時代の大きなうねりが起こりました。幕末・明治の浮世絵師たちは、時には、戊辰戦争や文明開化といった社会の変化を描き、時には、西洋文明の影響を受け入れながら、新たな絵画表現にチャレンジしました。
来年、平成30年(2018)は、明治維新からちょうど150年にあたります。それを記念し、本展覧会では、幕末から明治にかけて制作された浮世絵約150点(前後期で展示替えあり)を紹介します。幕末・明治という時代にあわせて激動していく浮世絵をお楽しみください。


歌川芳虎「信長公延暦寺焼討ノ図」(前期展示)

 

展示の見所① 2018年は明治維新から150年。激動の時代を見つめ直す

慶応4年(1868)、戊辰戦争が勃発し、江戸幕府が瓦解。江戸の町は東京と名前を変え、急速な近代化が進みました。幕末の動乱を伝える風刺画や、近代化した東京の街並みを描いた開化絵をとおして、激動の時代を見つめ直します。


三代歌川広重「東京名所京橋従煉化石之真図」(後期展示)

展示の見所② 浮世絵師たちが描いた西郷隆盛

NHKの大河ドラマの主人公としても注目を集める西郷隆盛。西郷隆盛といえば、普段着に犬を連れた上野公園の銅像が有名でしょう。しかし、明治時代の浮世絵には、西郷隆盛の姿がさまざまな形で描かれています。西郷隆盛が描かれた浮世絵を8点紹介します。

小林清親「鹿児嶋征討戦記」(前期展示)

展示の見所③ 月岡芳年、小林清親。注目される幕末・明治の浮世絵師たちを紹介

歴史画を得意とした月岡芳年。光線画と称される、光と闇を巧みに表現した風景画を描いた小林清親。幕末・明治時代には、他にもさまざまな浮世絵師たちが活躍し、激動する時代に見合った絵画表現をそれぞれ追求していました。人気絵師から知られざる絵師まで、幕末・明治の浮世絵師たちの活躍を幅広くご紹介します。

小林清親「日本橋夜」(後期展示)


月岡芳年「芳年武者旡類 源牛若丸 熊坂長範」(前期展示)

見どころの作品

鈴木年基「文武高名伝 旧陸軍大将正三位西郷隆盛」

月岡芳年「西郷隆盛霊幽冥奉書」


鈴木年基「文武高名伝 旧陸軍大将正三位西郷隆盛」個人蔵(前期展示)


月岡芳年「西郷隆盛霊幽冥奉書」(後期展示)

いずれも西郷隆盛を描いた作品です。年基の描いた西郷は、軍服姿にきりりとした表情をしています。描かれたのは明治10年(1877)5月。西南戦争はすでに勃発し、西郷軍の劣勢が伝えられているものの、まだ勝敗の確定していない時期です。画中には西郷を「賊将」と記していますが、それを感じさせない威厳ある姿です。
一方、芳年の描いた西郷は、眼の焦点が定まらず、唇も紫色になっています。制作は明治11年(1878)7月。すでに西南戦争に敗れて自刃した後で、幽霊となって建白書を届けようとしている姿として描かれています。西郷の不気味な姿は、国の将来に対する不安を象徴しているかのようです。
イベント
学芸員によるスライドトーク

展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。

日程 2018年1月8(月・祝)、19日(金)、23日(火)、
2018年2月6日(火)、12日(月・祝)、23日(金)
時間 14:00~(40分程度)
場所 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法 申込不要 参加無料(要入場券)
若手研究者講演会
日程

2018年2月3日(土)「明治の浮世絵にみる《江戸》-楊洲周延を中心に」村瀬可奈氏(町田市立国際版画美術館)

2018年2月17日(土)「浮世絵に描かれた母子の姿 -喜多川歌麿と菊川英山を中心に」洲脇朝佳氏(國學院大學大学院)

2018年2月24日(土)「肉筆浮世絵の技法と復元」向井大祐氏(東京藝術大学)

時間 14:00~15:30
場所 太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法 申込不要 参加無料(要入場券)
入館料
一般 700円
大高生 500円
中学生以下 無料

 

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