お笑い江戸名所 ~歌川広景の全貌



企画展
2017年1月5日(木)~29日(日)
 

1月10、16、23日は休館となります。

 

 

笑う! ふざける!! ズッコケる!!!  ~おバカな江戸っ子、大集合

 歌川広景(うたがわ・ひろかげ)の代表作「江戸名所道戯尽」は、幕末の江戸の名所を舞台に、騒いだり転んだりする人々をユーモラスに描いた作品です。本展は、全50点からなるこのシリーズを一挙に公開する貴重な機会となっています。他の浮世絵では味わうことのできない、笑いと馬鹿馬鹿しさに溢れた江戸っ子たちの姿をお楽しみください。

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歌川広景「江戸名所道化尽 九 湯嶋天神の台」(太田記念美術館蔵)
犬に足を噛まれた蕎麦屋。出前の蕎麦を頭からかぶってしまったお侍。

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歌川広景「江戸名所道化尽 十九 大橋の三ツ股」(太田記念美術館蔵)
橋の上から飛び込む褌一丁の男たち。スイカを積んだ小舟に激突。

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歌川広景「江戸名所道外尽 四十六 本郷御守殿前」(太田記念美術館蔵)
突然の夕立。一つの傘しかなかった三人の男たちの解決方法。

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歌川広景「江戸名所道化尽 四十一 浅草御厩川岸」(太田記念美術館蔵)
漆喰の盛り板が頭に命中。ひっくり返って箱の中にすってんころりん。

謎の絵師・歌川広景の全貌を紹介する初めての展覧会

 歌川広景については、歌川広重の弟子という程度のことしか明らかになっておらず、その正体はほとんど謎に包まれています。本展では、代表作である「江戸名所道戯尽」全50点を一挙に紹介するほか、「青物魚軍勢大合戦之図」や「東都冨士三十六景」といった他の作品も合わせ、謎の絵師・歌川広景の全貌に迫ります。

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歌川広景「青物魚軍勢大合戦之図」(太田記念美術館蔵)
    擬人化された魚と野菜の軍勢が大激突。


パクリ? リスペクト? 北斎・広重との奇妙なつながり

「江戸名所道戯尽」は、葛飾北斎や歌川広重の作品を明らかに参考にしている箇所が数多く見られます。本展では、北斎や広重の作品も合わせて展示することで、広景のアイデアの源泉、さらには、北斎や広重が次世代に与えた影響力について掘り下げます。

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歌川広景「江戸名所道外尽 廿八 妻恋こみ坂の景」(太田記念美術館蔵)
鼻をつままずにはいられない、お侍さんの発する強烈な臭い。北斎の作品をそっくりそのまま模写しています。

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葛飾北斎『北斎漫画』十二編(太田記念美術館蔵)

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歌川広景「江戸名所道戯尽 十五 霞が関の眺望」(太田記念美術館蔵)
透視図法を使って、坂の上から江戸湾を眺める独特の構図。広景は、広重の作品の構図を取り入れたようです。

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歌川広重「名所江戸百景 霞かせき」(太田記念美術館蔵)

<見どころの一点>
「歌川広景「江戸名所道戯尽 十六 王子狐火」(太田記念美術館蔵)

                                     

 大名行列ごっこを楽しんでいるキツネたち。挟み箱の代わりにカボチャを担ぎ、毛槍の代わりにトウモロコシをくくり付けた竹を掲げています。大きなザルに座って御満悦な男は、狐に化かされて、すっかりお殿様になった気持ちでいるのでしょう。場所は王子稲荷社付近。大晦日の夜になると狐たちが王子稲荷社に集まり、近隣の農民たちは、この時に狐が発する狐火の数によって翌年の農作物の豊凶を占ったと伝えられています。

イベント
学芸員によるスライドトーク

本展の担当学芸員が見どころをご案内します。

日程

2017年1月7日(土)・18日(水)・27日(金)

※27日は14:00~と15:00~の2回行います。

時間14:00~(40分程度)(27日のみ15:00~も開催)
場所太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法申込不要 参加無料(要入場券)
若手研究者講演会
講師塚本 園子 (実践女子大学大学院)
「北斎の弟子、昇亭北寿
  ―その画業と風景版画について」
日程1月21日(土)
時間14:00~15:30
場所太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法申込不要 参加無料(要入場券)
入館料
一般700円
大高生500円
中学生以下無料

 

開館日カレンダー

休館日

   
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