長瀬コレクション 北斎展 本展覧会では、コレクションに含まれる様々な作品を通して、北斎の70年以上に及ぶ長い画業を追っていきます。 北斎が絵師を志して19歳で勝川派に入門し、春朗(しゅんろう)を名乗っていた時代の作品から、最晩年、70代半ばで 卍(まんじ)を名乗った時代の作品まで、多数の優品稀品を交えながら、膨大な北斎の画業の一端をご紹介いたします。 生涯ひとつの画風にとどまることをせず、常に新しい表現を追い求め、変化しつづけた浮世絵師北斎の魅力をご堪能ください。 展示期間:平成20年3月1日(土)〜26日(水) ※3月の休館日・料金は、こちらをご覧下さい。 ※この展示に関する図録、グッズの販売はございません。 ★3月の土曜講座★ ※ 3月の土曜講座は、5、6月の特別展「蜀山人 大田南畝 −大江戸マルチ文化人交遊録−」に先駆けた内容となります。 ふるってご参加下さい。 ・ 3/1 「江戸文化の中の文人サロンの賑い」 俳優・江戸民間書画美術館館長 渥美國泰氏 ・ 3/8 「蜀山人大田南畝の実像 −文人・役人・家庭人−」 成蹊大学文学部教授 揖斐高氏 ・ 3/15 「大田南畝と浮世絵師たち」 当美術館学芸員 日野原健司 ・ 3/22 「大田南畝の狂歌 天明の四方赤良、文化の蜀山人」 法政大学キャリアデザイン学部准教授 小林ふみ子氏 T.北斎の修行時代−役者絵からのスタート− 風景画で有名な北斎ですが、意外にも浮世絵師としての第一歩は、役者絵で有名な勝川春章に 入門することから始まりました。安永7年(1778)、北斎19歳の時です。以降勝川派を離れるまで、約15年の間勝川春朗を 名乗って活動しました。いわば北斎の修行時代といってよいでしょう。 長瀬コレクションは稀少とされる春朗期の錦絵を数多く含んでいることで知られています。 「梶原源太影季(かじわらげんだかげすえ)」を始めとして、北斎若かりし頃の役者絵や美人画を多数紹介いたします。 「梶原源太影季」 U.北斎が先に描いていた!−東海道五十三次− 40代を目前にした寛政10年(1798)頃から、北斎の号が用いられるようになりました。以降、戴斗を名乗る文化8年(1811)頃まで、 北斎、あるいは画狂人北斎の名で、様々なジャンルの作品が精力的に生み出されました。 浮世絵師として大きく躍進したこの時期、北斎は風景画の連作を数多く手がけています。特に、東海道五十三次は歌川広重の 作品で大変有名ですが、実は北斎が広重に先駆け、好んで取り上げたテーマであることはあまり知られていません。 本展では北斎が描いた、数種類におよぶ東海道五十三次の中から多数の作品を紹介いたします。 広重とは一味違う北斎の東海道をご覧ください。 「東海道五十三次 十四 原」 V.まるで航空写真?−「総房海陸勝景奇覧(そうぼうかいりくしょうけいきらん)」− 北斎は文化8年(1811)頃、50代前半から戴斗の号を用いています。この時期、北斎は有名な『北斎漫画』などの絵手本を 多く手がけたことで知られています。本展では、まるで飛行機から地上をみたような視点で緻密に描かれる鳥瞰図 「総房海陸勝景奇覧」や「諸国名橋一覧」など、北斎の奇抜な発想がうかがえる作品を紹介いたします。 「総房海陸勝景奇覧」 W.冨嶽三十六景の時代−成熟期の優品− 文政3年(1820)、61歳の北斎は為一の号を名乗るようになります。為一期は、「冨嶽三十六景」など、北斎の代表作ともいえる 名品が数多く生み出された時代です。この時期の作品は、北斎自身の表現の成熟と、錦絵の彫り、摺りの技術の発達とが相まって、 非常に高い完成度を示します。本展では、長瀬コレクションより「千絵の海」「狆」など、風景画から花鳥画まで バラエティーに富んだ作品を紹介いたします。また、長瀬コレクションには含まれませんが、参考作品として「冨嶽三十六景」など を同時出展いたします。 「千絵の海 総州銚子」 X.北斎の最晩年−画狂老人卍(まんじ)時代− 天保4年(1833)、70歳を過ぎた北斎は「卍」あるいは「画狂老人卍」などと号し、嘉永2年(1849)90歳で没するまで その名前を用いました。北斎が徐々に錦絵から肉筆画に活動の場を移しつつ、さらなる画境を目指した時代です。本展では 「勝景奇覧 木曽摺針峠」など、北斎が卍へと改名した時期の作品を出品いたします。 「勝景奇覧 木曽摺針峠」 Y.ユーモラスなポーズをとる人物たち−l飾派の身体表現− 長瀬コレクションには、錦絵作品のほかに、l飾派の絵師が直接紙に描いた画稿が数多く含まれています。 特に、複雑な姿勢や動きを見せる人物を描いた一連の画稿は、l飾派独特の、骨や筋肉をリアルに描写する身体表現を よく表すものとして興味を引きます。本展では、僧侶、相撲取り、女性など、さまざまな人物がユーモラスなポーズをとる、 楽しい画稿を多数紹介いたします。 「画稿」 |