浮絵 −江戸のパースペクティヴ− はじめて浮絵を描いた絵師は、自ら「浮絵根元」と名乗った奥村政信(1686-1764)といわれ、また同時代に活躍した 西村重長(?-1756)も浮絵を得意としました。しかし、まだ彼らの時代は遠近の処理が未熟で、歌舞伎小屋の内部や妓楼の座敷といった 室内空間が主でした。その後、歌川派の開祖・歌川豊春(1735-1814)が出て、自然な遠近処理で屋外の広大な風景もあらわすことが できるようになるなど、飛躍的な発展を遂げました。また、葛飾北斎(1760-1849)も浮絵の発展に大きく寄与し、多くの浮絵を制作 しています。 今回の展覧会では、構図を分析した図もまじえながら、政信、重長ら初期の浮絵から、北斎などの江戸時代後期の作品まで約80点 を紹介し、浮絵の遠近表現がどのように発展していったか探ってゆきます。 鳥居清忠 「鶴亀貢太平記」 展示期間:平成19年10月2日(火)〜26日(金) ※10月の休館日・料金に関しましては、こちらをご覧下さい。 ★ 10月のイベント:太田記念美術館コンサート『浮世絵を聴く』 T・浮絵黎明の時代 しかしながら、まだこの延享年間(1744−48)頃〜宝暦年間(1751−62)頃は、遠近の処理が未熟で、歌舞伎小屋の 内部など室内空間か、屋外でも両側に家並みのある場所が主でした。 左・奥村政信 「新吉原大門口中之町大浮絵」 右・奥村政信 「見立十二段草子」 U・浮絵中興の祖・豊春の登場 左・歌川豊春 「浮絵新吉原惣仕舞之図」 右・歌川豊春 「浮絵駿河町呉服屋図」 V・豊春以降の展開―浮絵から風景画へ― 葛飾北斎 「新板浮絵日本橋肴市繁昌之図」 ●● これって日本で描いたの!? ●● 左・伝歌川豊春 「浮絵アルマニヤ珍薬物集之図」 右・伝歌川豊春 「阿蘭陀フランスカノ伽藍之図」 |