平成19年 9月 展示のご案内





浮世絵師たちのシニア・パワー


北斎・広重・三代豊国 還暦からの挑戦








                          l飾北斎 「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 

 団塊世代の集団退職がいよいよ始まった2007年。定年後は仕事のことを忘れ、のんびりと過ごそうと計画している方も多いかも しれません。平均寿命が約80歳とされる現在、第二の人生はまだまだ始まったばかりと言えるでしょう。

 そんな現在と比べて平均寿命も短かった江戸時代。50歳や60歳で人生の区切りを考えなければならなかった中、還暦を迎えた後も、 若い頃と変わらず精力的に絵を描き続ける浮世絵師、さらには、今までの自分の画風を切り捨てて、新しい表現に挑戦する浮世絵師 たちがいました。

 この展覧会では、「浮世絵師たちのシニア・パワー」と題しまして、葛飾北斎、歌川広重、三代歌川豊国などの著名な浮世絵師たち が、還暦後にどのような作品を産み出していったか、その晩年におけるパワフルな挑戦を紹介いたします。60歳、70歳を過ぎても筆を 揮う彼らの姿に、現在の私たちも元気を与えてもらえるのではないでしょうか。



展示期間:平成19年9月1日(土)〜26日(水)

※9月の休館日・料金に関しましては、こちらをご覧下さい。

★ 9月のイベント:太田記念美術館コンサート『浮世絵を聴く』 





【みどころ @】 世界的に有名な葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 北斎70代の挑戦


 数え年で90歳の長寿を保った葛飾北斎。亡くなる直前まで絵筆を握り続けていたといいます。その葛飾北斎の一番の代表作である 「冨嶽三十六景」。そのシリーズの中でも、激しく襲いかかる大きな波を描いた「神奈川沖浪裏」は、日本のみならず世界でも知れ 渡った著名な作品です。しかしこの作品が、北斎が70歳前半という晩年の頃に描かれた作品であったということはご存知でしょうか? 北斎は70歳という高齢でありながら、現代人の目にも驚きを与えるダイナミックな構図の傑作を産み出したのです。

「冨嶽三十六景」のほか、「諸国瀧廻り」「諸国名橋奇覧」といった、北斎晩年の風景画の代表作品を紹介します。


葛飾北斎 「冨嶽三十六景 尾州不二見原」 




【みどころ A】 ゴッホが模写した歌川広重の「名所江戸百景 亀戸梅屋敷」 広重60代の挑戦


 「東海道五拾三次之内」で知られる歌川広重が、数え年62歳で亡くなる直前に描き出したのが「名所江戸百景」です。 中でも「亀戸梅屋舗」は海外に影響を与え、オランダの画家、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが模写をしていることでも 知られています。このシリーズは、今まで一般的だった横長の構図を縦長に変え、大胆なアングルで風景を描くという、 広重の新しいアイデアと発想に満ち溢れた作品です。

 「名所江戸百景」のほか、広重最晩年の風景画を紹介します。






左・歌川広重 「阿波鳴門之風景」    右・歌川広重 「名所江戸百景 亀戸梅屋敷」





【みどころ B】 浮世絵師の中で歴代一位の作品数 三代豊国60、70代の挑戦


 現代では北斎や広重の人気が非常に高いですが、江戸時代の当時、江戸っ子たちに一番人気のあった絵師は三代 歌川豊国です。役者絵と美人画という浮世絵の二大テーマを得意とし、当時の一大派閥であった歌川派を率いる総帥 として活躍しました。その手掛けた作品の数は、数ある浮世絵師の中でも歴代一位を誇ると言われています。  この三代豊国も数え年79歳まで長生きした絵師で、しかも亡くなる直前まで精力的に作品を発表し続けていました。

 「江戸名所百人美女」や「今様三十二相」といった美人画、「役者見立東海道五十三駅」や 「古今俳優似顔大全」といった役者絵など、老いてなお衰えることのない三代豊国の代表作を紹介します。




左・三代歌川豊国 「東海道五拾三次之内 京 石川五右衛門」
右・三代歌川豊国 「今様三十二相 すゞしさう」






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浮世絵 太田記念美術館

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