和装男子 ―江戸の粋と色気

2021年1月6日(水)~1月28日(木)

1月12、18、25日は休館します。

はじめに

華やかに着飾る若者、渋い柄をスタイリッシュに着こなす大人の男性、奇抜なデザインを好むアウトロー。浮世絵にはこうしたお洒落な男性が次々に登場します。江戸時代、現代同様に男性もファッションを楽しんでいたのです。歌舞伎役者は江戸随一のファッションリーダーでしたし、日々の生活でも男性たちは着物だけでなく頭巾や煙草入れなどの小物、髪型にもこだわりを発揮していました。そしてその洗練された和装姿には独特の色気が漂い、江戸の男性像の大きな魅力となっています。
男性の和装に焦点をあてる本展では、和装男子の魅力を堪能するとともに江戸の豊かな服飾文化に触れてみてください。

鈴木春信「つれびき」

月岡芳年「月百姿 名月や来て見よがしのひたい際 深見自休」

粋な着こなし ―ファッションへのしたたかな情熱

贅沢な身なりを禁じる法令が度々出された江戸時代。人々は黒や茶、縞や小紋など地味な色や模様、そして小物を組み合わせてファッションを楽しみました。吉原遊廓で遊ぶ「通人」と称された男性たちは渋い色味を好む知的なスタイルで注目を集めます。一方、職人や火消しなど威勢が良く男気にあふれた男性たちは、手ぬぐいや半纏に趣向を凝らした男らしい装いで人気を呼びました。

歌川豊広「観桜酒宴図」

月岡芳年「月百姿 烟中月」

物語のなかの和装男子 ―ルール無用の和装世界

現代の漫画やアニメのキャラクターに劣らず、浮世絵では物語や伝説、歌舞伎の登場人物の多くが奇抜なファッションで登場します。例えば侠客(きょうかく)は、ドクロや地獄などの大胆な衣装で度々描かれます。架空の世界で生み出された独創的な和装をお楽しみください。

歌川国芳「小紫 白柄十右エ門」

歌川国貞(三代歌川豊国)「東海道五十三次之内 宮 景清」

歌舞伎役者 ―江戸最強のインフルエンサー

娯楽の少なかった江戸時代、歌舞伎役者は現代のタレントとYouTuberとの人気をあわせ持つような特別な存在だったと言えます。人気役者ともなればその影響力は絶大。彼らが舞台で見せた着物の着こなしや色や模様、例えば江戸紫やかまわぬ模様は次々と流行となりました。

奥村政信「佐野川市松の人形遣い」

豊原国周「三十六花艸の内 風車草 御所の五郎蔵 市川小団治」

見どころの作品

勝川春潮「橋上の行会」

「見て、あの人かっこいい」。若い男性を見つめる女性たちからはそんなセリフが聞こえてきそうです。まんざらでもない表情を浮かべる男性は、黒い縞の小袖に紫の縞の羽織を合わせ、帯と鼻緒の赤を差し色として効かせるというファッション。黒い頭巾を首に巻くのも当時の流行でした。江戸中期以降、縞をはじめとする渋いデザインが人気となりましたが、この男性は地味な柄をセンス良く重ねるお洒落上級者の着こなしを見せており、当時の洗練された美意識を伝えています。
なお頭に挿しているのは、新年最初の卯の日に亀戸天神境内にある妙義社で授けられた雷除けのお守りです。人が溢れるイベントの日、江戸の人々もお気に入りの装いで出かけたことがわかります。


入館料
一般800円
大高生600円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー
2021 01

休館日

1,2,3,4,5,12,18,25,29, 30, 31

2021 / 01

1,2,3,4,5,12,18,25,29, 30, 31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

休館日

ニッポンの浮世絵 ―浮世絵に描かれた「日本のイメージ」

2020年11月14日(土)~12月13日(日)

11月16、24、30、12月7日は休館します。

浮世絵から「日本のイメージ」を見つめなおす

新型コロナウィルスの影響により、海外へ渡航することが難しくなってしまった現在。これまで以上に、私たちの身の回りの生活を見つめ直す機会が増えてきています。私たちが暮らしている日本の特色をイメージしてみると、そのルーツの一つに、江戸から明治にかけての私たちの生活を描いてきた浮世絵が思い浮かんできます。日本の美意識が詰まった浮世絵を読み解くことで、改めて私たちの感性と向き合ってみましょう。

歌川広重「冨士三十六景 駿河薩タ之海上」

歌川広重「名所江戸百景 隅田川水神の森真崎」

溪斎英泉「江戸八景 日本橋の晴嵐」

「日本のイメージ」大集合!―富士山、桜からグルメ、お相撲さんまで

浮世絵にはさまざまな「日本」が描かれています。富士山や桜といった観光には欠かせない美しい自然。蕎麦や天ぷら、寿司といった美味しいグルメ。花魁や芸者、力士などといった、さまざまな職種の人々。本展覧会では、このような日本的な題材が描かれた浮世絵を一堂に集め、日本のイメージを紐解いていきます。展示点数は約70点。会期中、展示替えはありません。

落合芳幾・三代歌川広重「隅田川花の賑ひ」
歌川国芳「木曽街道六十九次之内 守山 達磨大師」
豊原国周「見立昼夜廿四時之内 午前六時」
歌川国貞「柏戸・白山」

見どころの作品

月岡芳年「風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎之風俗」

江戸の町で特に人気だったグルメが、蕎麦、天ぷら、ウナギ、寿司。こちらの作品では、料亭の2階にいる女性が、海老か魚の天ぷらを食べようとしています。楊枝1本で天ぷらを刺して、器用に持ち上げているところ。天ぷらの傍らには天つゆの入ったそば猪口が。ちなみに、題名の「むまさう」とは「うまそう(美味そう)」のことです。浮世絵を通して、現代でも人気の高い和食のルーツをたどることができます。


入館料
一般800円
大高生600円
中学生以下無料

*中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。(一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
*障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
*その他各種割引についてはお問い合わせください。
*料金は消費税込み。

開館日カレンダー

休館日

2020 11

休館日

2,9-13,16,24,30

2020 / 11

2,9-13,16,24,30

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2020 12

休館日

7,14-31

2020 / 12

7,14-31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

太田記念美術館コレクション展

2020年7月1日(水)~7月26日(日)

7月6、13、20日は休館します。

歌川芳藤「廓通色々青楼全盛」

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、太田記念美術館は4月7日から臨時休館としておりましたが、7月1日より約3か月ぶりに再開いたします。 今回の展覧会は、当初のスケジュールを変更し、「太田記念美術館コレクション」展を開催いたします。太田記念美術館が誇る約14,000点のコレクションの中から、見ていて心がほっとするような作品、あるいは、病魔に打ち勝つために作られた作品を選りすぐりました。また、臨時休館中、太田記念美術館のツイッターで話題となった「#おうちで浮世絵」の中から、人気の作品も展示いたします。 なお、ご来場者のソーシャルディスタンスを確保するため、作品の間隔を広げて展示いたします。展示点数は通常よりも少ない40点強となりますが、ご了承ください。

歌川芳虎「家内安全ヲ守十二支之図」
歌川広景「江戸名所道戯尽 十六 王子狐火」
歌川国芳「木菟に春駒」
歌川芳藤「しん板猫のたわむれ踊のをさらゐ」
歌川芳虎「鍾馗」
河鍋暁斎『暁斎画談 内篇』「手足真図及ヒ画図」

入館料
一般800円
大高生600円
中学生以下無料
開館日カレンダー

休館日

2020 07

休館日

6,13,20,27-31

2020 / 07

6,13,20,27-31

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

江戸の土木

2020年10月10日(土)~11月8日(日)

10月12、19、26、11月2日は休館します。

浮世絵から読み解く、江戸の土木

土木とは、道路や河川、橋梁、港湾などを造る建設工事のこと。近年、東京では各所で再開発が進み、大規模な土木工事や建設が盛んに行われています。一方、橋やダム、河川、地形など、土木に関連するジャンルがマニアックな人気を呼び、書籍や雑誌などのメディアで取り上げられる機会も増えています。 時代をさかのぼってみると、東京のルーツである江戸は、幕府による天下普請を始めとした、さまざまな土木工事によって発展した都市でした。本展は歌川広重や葛飾北斎など、浮世絵師たちが描いた作品を手がかりとして、江戸の土木を読み解く展覧会です。

歌川広重「東都名所 両国橋夕涼全図」
両国橋 明暦の大火(1657)で江戸市民が隅田川を渡れず、多数の死傷者が出たことから架橋された

100万都市・江戸を生み出した土木工事

徳川家康が幕府を開いてから、100年ほどで人口100万を超える大都市となった江戸。江戸の町を大きく発展させる土台となったのが、高度な土木技術による市街地の造成やインフラなどの整備でした。江戸城と外濠・内濠の建設、日比谷入江、築地、深川などの埋立、小名木川や神田上水といった運河や上水の整備、両国橋や日本橋などに代表される橋の架橋、寛永寺や増上寺といった巨大寺院の建設など、大規模な土木工事の例は枚挙に暇がありません。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 江戸日本橋」
江戸城と日本橋 将軍家の居城である江戸城。ともに描かれる日本橋川は、人工的に開削された水路

昇亭北寿「東都 御茶之水風景」
仙台濠 仙台藩による、神田山を分断して掘削する大工事でできた
渓斎英泉「江戸八景 上野の晩鐘」
寛永寺 徳川家の菩提寺として、新たに建立された大寺院

葛飾北斎「冨嶽三十六景 遠江山中」
木挽職人 工作機械のない時代、土木工事を担った木挽などの職人や人足たち
歌川広重「江戸百景余興 鉄砲洲築地門跡」
築地本願寺 明暦の大火で焼けた浅草本願寺の代わりに、築地一帯を埋め立て、築地本願寺が建立された
歌川広重「名所江戸百景 深川木場」
木場 明暦の大火後に、日本橋付近にあった材木河岸が埋立地である深川に移転

再開発エリアのルーツは江戸にあり?

近年、東京では、渋谷ストリームや東京ミッドタウン日比谷などのような、大規模な再開発エリアの建設が注目を浴びています。しかし歴史をさかのぼると、実は江戸時代から、遊廓や芝居町など、商業地の移転や再開発が度々行われているのです。新吉原のような遊廓や猿若町のような芝居町、わずか十数年で姿を消した幻の繁華街・中洲などは、再開発エリアのルーツと言えるかもしれません。

歌川広重「東都名所 新吉原五丁町 弥生花盛全図」
新吉原 遊郭の吉原は、もともと人形町付近にあり、明暦の大火後に浅草北の日本堤へと移転
歌川豊春「浮絵和国景夕中洲新地納涼之図」
中洲 安永元年(1772)、隅田川の中流にできた、埋立地の歓楽街。わずか20年ほどで取り壊された
歌川広重「名所江戸百景 猿わか町よるの景」
猿若町 堺町・葺屋町と木挽町にあった3つの芝居小屋が、天保14年(1843)に浅草へ移転、芝居町としてにぎわう

見どころの作品

作者不詳「浅草寺大塔解釈」 / 歌川広重「名所江戸百景 浅草金龍山」

作者不詳「浅草寺大塔解釈」
歌川広重「名所江戸百景 浅草金龍山」

浮世絵にみる、江戸の震災と復興

東日本大震災からの復興に向けた取り組みが今も続けられています。江戸の町も、しばしば火災や地震などの災害に見舞われましたが、その度に人々は町の復興を目指し、市中の至るところで大規模な建設工事が行われたのです。 幕末の江戸を襲った災害として、安政2年(1855)に起きた安政の大地震がよく知られています。江戸市中に甚大な被害を出したこの地震では、浅草寺は倒壊こそ免れましたが、五重塔の頂上の九輪が曲がってしまいました。左の作品は、その際の五重塔を描いたものです。そして右は、安政の大地震の翌年に広重が描いた揃物「名所江戸百景」中の一点。本図には雷門ごしに、九輪がまっすぐになった五重塔が描かれています。この絵が出版されたのは九輪の修理が完成した安政3年5月の直後であることから、浅草寺の修復事業を記念した、安政の大地震からの復興を象徴するような作品であるとの見方があります。

※スライドトークの開催は未定です。開催する場合にはこのページで日程のご案内をいたします。

歌川国芳「子供遊金生水之堀抜」(個人蔵)は10月10日~10月24日までの展示となります。

入館料
一般800円
大高生600円
中学生以下無料
開館日カレンダー
2020 10

休館日

5-9,12,19,26

2020 / 10

5-9,12,19,26

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
2020 11

休館日

2,9-13,16,24,30

2020 / 11

2,9-13,16,24,30

SUN MON TUE WED THU FRI SAT

月岡芳年 血と妖艶

2020年8月1日(土)~10月4日(日)
前期 8月1日(土)~8月30日(日)
後期 9月4日(金)~10月4日(日)
※前後期で全点展示替え
8月3、11、17、24、31、9月1~3、7、14、23、28日は休館します。

「血」「妖艶」「闇」。3つのテーマで月岡芳年の魅力に迫る

月岡芳年(1839~92)は、幕末から明治時代前半にかけて活躍した浮世絵師です。当時も大変な人気を誇っていましたが、その迫力あふれる構図や鋭い筆遣いは、現在の私たちが見ても決して色あせていません。本展覧会では、「血」「妖艶」「闇」という3つの妖しいキーワードから、月岡芳年の魅力を掘り下げます。展示点数は約150点。前期と後期に分け、全点展示替えをいたします。
写真サンプル

月岡芳年「風俗三十二相 いたさう」(太田記念美術館蔵)前期

写真サンプル

月岡芳年「英名二十八衆句 因果小僧六之助」(太田記念美術館蔵)後期

閲覧注意!凄惨な血みどろ絵

月岡芳年は、残酷な殺戮シーンや死骸を描いた「血みどろ絵(無惨絵)」と通称されるジャンルを手がけました。飛び散る血をセンセーショナルに描いたそのおどろおどろしい表現は、江戸川乱歩や三島由紀夫など、大正・昭和に活躍した文学者たちを惹きつけたことでも知られています。血みどろ絵の代表作「英名二十八衆句」全14点のほか、「東錦浮世稿談」や「魁題百撰相」など、芳年が描いた残酷な作品をまとめて紹介します。
写真サンプル

月岡芳年「東錦浮世稿談 向疵与三」(個人蔵)前期

写真サンプル

月岡芳年「英名二十八衆句 福岡貢」(太田記念美術館蔵)後期

写真サンプル

月岡芳年「英名二十八衆句 稲田九蔵新助」(個人蔵)前期

写真サンプル

月岡芳年「魁題百撰相 阪井久蔵」(太田記念美術館蔵)後期

妖艶な美女と深い闇

月岡芳年の美人画には、単に外見が美しいだけではなく、どことなく妖しさが漂う女性たちが数多く登場します。また、夜を舞台にした作品には、張り詰めたような緊迫感や、妖怪や幽霊たちの不気味な存在感があふれています。美人画の代表作「風俗三十二相」や、月にまつわる歴史や物語を描いた「月百姿」、あるいは妖怪を題材とした「和漢百物語」や「新形三十六怪撰」など、さまざまな作品を通して芳年の妖しい魅力を紹介します。
写真サンプル

月岡芳年「近世人物誌 近衛家の老女村岡」(個人蔵)前期

写真サンプル

月岡芳年「風俗三十二相 あつさう」(太田記念美術館蔵)後期

写真サンプル

月岡芳年「和漢百物語 不破伴作」(太田記念美術館蔵)前期

写真サンプル

月岡芳年「月百姿 吼噦」(太田記念美術館蔵)後期

見どころの作品

月岡芳年「奥州安達がはらひとつ家の図」(太田記念美術館蔵)後期

浮世絵史上、もっとも残酷な一枚

浮世絵の歴史の中でもっとも残酷な作品と言えば、こちらの作品でしょう。荒縄で縛られて天井から逆さ吊りにされた妊婦。猿轡をかまされ、すでに意識を失っています。一ツ家の老婆は、これから妊婦の腹を切り裂こうと、念入りに包丁を研いでいます。この絵の中には一滴の血も流れてはいませんが、生々しく描かれた妊婦の痛ましい姿によって、大量の血が飛び散る血みどろ絵よりも残酷さを強く感じさせる作品となっています。

入館料
一般 800円
大高生 600円
中学生以下 無料
  • *中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
  • *団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。 (一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、当面の間は10名以上の団体でのご来館はご遠慮ください。
  • *障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
  • *その他各種割引についてはお問い合わせください。
  • *料金は消費税込み。
開館日カレンダー
休館日
        • 2020年8月
          SUN MON TUE WED THU FRI SAT
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        • 2020年10月
          SUN MON TUE WED THU FRI SAT
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