
ハンブルク美術工芸博物館が誇る浮世絵コレクションの中でも、最も注目されるのは数多くの摺物でしょう。摺物とはプライベートな目的で制作された浮世絵版画の一種です。一般の浮世絵とは違い、少数注文により豪華な用紙や高い彫・摺の技術が結集されたもので、その精緻な美しさから近年世界中で注目を受けています。本展ではフランスの文豪エドモン・ド・ゴンクールが旧蔵していたことでも知られる24図からなる摺物貼をはじめ、葛飾派を中心としたすばらしい質と量を誇る同館所蔵の摺物を多数ご紹介いたします。
コレクションに含まれる数多くの版本のうち、鈴木春信「青楼美人合」や北尾重政・勝川春章合筆からなる「美人合姿鏡」、喜多川歌麿による豪華な狂歌絵本など、厳選された名品が展観されます。また絵師の生の筆致を伝える肉筆の画軸では、北尾重政の名品「久米仙人と洗濯美人」、歌川広重の珍しい若描きの作品をはじめ、勝川春章、河鍋暁斎らによる作品をご紹介いたします。
●鈴木春信「青楼美人合」 【Ⅲ期展示予定】
(ハンブルク美術工芸博物館蔵)© MKG Hamburg
●勝川春章「桜下花魁道中図」
【Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ期展示予定】
(ハンブルク美術工芸博物館蔵)© MKG Hamburg
絵師が描いたスケッチともいえる「画稿」、版木に彫る直前に描かれた精密な下書き「版下絵」、色を摺る前に墨一色の版木を試し摺りした「校合摺」、そして版木など、本コレクションには浮世絵の制作途中で生み出される貴重な資料が数多く含まれているのも特徴のひとつです。中でも北斎「冨嶽三十六景」の6点におよぶ校合摺は他に例のない珍しいもの。江戸の浮世絵制作の世界を知るとともに、当時の職人たちの高い技術をぜひご観賞ください。
●葛飾北斎「冨嶽三十六景 東都駿台」(校合摺)
【Ⅰ期展示予定】
(ハンブルク美術工芸博物館蔵)© MKG Hamburg




ハンブルク美術工芸博物館のコレクションのうち日本美術は約1万点を数え、うち2000点が浮世絵作品となっています。同館での浮世絵収集が開始されたのは開館当初からとされ、パリの美術商であるジークフリート・ビング(1838~1905、ハンブルク出身)や、林忠正(1853~1906)らの大きな関与があったと考えられています。
近年、故ゲルハルト・シャック氏(1929~2007)から遺贈された作品は版画約2000点、掛幅40点、スケッチ類1600点、版本300点などに及ぶ質量ともに素晴らしいものです。この遺贈によりハンブルク美術工芸博物館の浮世絵作品は全体で5000点を超え、世界でも有数のコレクションとしてますます充実した内容を備えるようになったのです。
最初の浮世絵師ともいわれる菱川師宣の作品にはじまり、多色摺の版画である錦絵を草創した鈴木春信の「三十六歌仙 源宗于朝臣」、俗に浮世絵の黄金時代と称される天明・寛政期(1781~1801)に活躍した喜多川歌麿の「六玉川 高野の玉川」、東洲斎写楽の大首絵「松本米三郎のけはい坂の少将実はしのぶ」、今年生誕250周年で話題の葛飾北斎が描いた代表的シリーズ「冨嶽三十六景」、歌川広重の名作「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」など、本展では幅広い時代から数多くの名品が出展され、展覧会を通じて浮世絵の主要な流れが体感できるでしょう。

●鈴木春信「三十六歌仙 源宗于朝臣」
【Ⅰ期展示予定】(ハンブルク美術工芸博物館蔵)
© MKG Hamburg




●美しい彫と摺の世界●
―稀少な摺物を多数出品―

●世界有数の浮世絵コレクションが里帰り●
●東洲斎写楽「松本米三郎のけはい坂の少将実はしのぶ」【Ⅱ期展示予定】 (ハンブルク美術工芸博物館蔵) © MKG Hamburg
●歌川広重「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」 【Ⅱ期展示予定】
(ハンブルク美術工芸博物館蔵)© MKG Hamburg
●歌川国芳「山海愛度図会 ヲ々いたい
越中滑川大蛸」 【Ⅲ期展示予定】
(ハンブルク美術工芸博物館蔵) © MKG Hamburg
●版本と肉筆画●
●江戸の浮世絵制作を知る●
―画稿、版下絵、校合摺、版木―
●葛飾北斎「冨嶽三十六景 東都駿台」
【Ⅰ期展示予定】
(ハンブルク美術工芸博物館蔵)© MKG Hamburg
● 鳥居清長「大川端の夕涼」
【Ⅲ期展示予定】
(ハンブルク美術工芸博物館蔵)© MKG Hamburg
(10月4、12、18、25日/11月1、8、15、22日は休館致します。)
●「ゴンクール旧蔵摺物帖」(魚屋北渓 「三十六禽続 猫」)
【Ⅰ期展示(10/1~10/9)】
(ハンブルク美術工芸博物館蔵)© MKGHamburg
★展示スペースの関係上、「ゴンクール旧蔵摺物帖」の展示はⅠ期展示期間中にページの入れ替えを行います。10/10~10/17は魚屋北渓「御幣を担ぐ猿」、その他3点の展示となります。 詳細をお知りになりたい方は美術館までお問い合わせ下さい。
●葛飾北斎「元禄歌仙貝合 なミまかしハ」
【Ⅱ期展示予定】
(ハンブルク美術工芸博物館蔵)© MKG Hamburg




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2010年10月1日(金)~11月28日(日) 【★各会期ごとに、作品はほぼ入れ替えとなります。】
Ⅰ期 : 10月1日(金)~10月17日(日)
Ⅱ期 : 10月19日(火)~11月7日(日)
Ⅲ期 : 11月9日(火)~11月28日(日)
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●葛飾北斎「百物語 さらやしき」
【Ⅲ期展示予定】(ハンブルク美術工芸博物館蔵)
© MKG Hamburg
●喜多川歌麿「美人子供行列」 【Ⅱ期展示予定】 (ハンブルク美術工芸博物館蔵) © MKG Hamburg
●展示図録「ハンブルク浮世絵コレクション展」を 2.500円(税込)にて販売いたします。