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 広重「名所江戸百景」の世界 
  
  
       

●「名所江戸百景 隅田川水神の森真崎」
                  【前期展示】

満開となった桜の花。遠方に隅田川、筑波山を望む。

●「名所江戸百景 深川万年橋」
                【後期展示】 
手桶に吊るされた亀の向こうに富士が見える。奇抜な構図がおもしろい。

 開館日赤字は休館日)
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●「名所江戸百景 駒形堂吾嬬橋」
                      【後期展示】
「あてなしぼかし」で表現された雨雲に摺師の技が冴える。駒形とほととぎすの組み合わせは有名な遊女が詠んだ句にちなむ。

2010年4月1日(木)~5月26日(水)

【前期: 4月1日(木)~25日(日) / 後期:5月1日(土)~26日(水)】   (前後期で展示替え)

(4月5、12、19、26~30日/5月6、10、17、24日は休館致します。)

●「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」【前期展示】

近景に大きく梅を、遠景に人々を小さく描く。広重は極端な遠近法を得意とした。

「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」
                 【後期展示】
突然の夕立に足早に橋を渡る人々。
ゴッホも愛した一枚。
● 入館料: 一般¥700 ・大高生¥500・中学生以下無料

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 四季折々の江戸の風景を、巨匠・歌川広重が斬新な構図と鮮やかな色彩で描いた「名所江戸百景」。後期印象派の画家ゴッホにも影響を与えるなど、浮世絵版画のなかでも最も広く知られたシリーズの一つです。広重晩年の代表作であると同時に、「亀戸梅屋舗」や「大はしあたけの夕立」など、生涯を通じての名作とも言える作品も多く含んでいます。刊行当時からも評判が高かったようで、「百景」と銘打ちながら最終的には百十数枚が広重の手によって世に送りだされました。本展では、優れた保存状態を誇る太田記念美術館本全点を、前期後期に分けて展観いたします。洋の東西を問わず今日まで人々を魅了してきた「名所江戸百景」。うつろう季節とともに表情を変える情趣ある江戸の風景をお楽しみ下さい。

はじめに

① 広重晩年の代表作

 さまざまに描かれたのどかな景色や、賑やかな年中行事の様子からは、古き良き江戸情趣をしのぶことができます。しかし実際には、刊行の3年前にペリーが浦賀に来航し、前年には安政の大地震が起こるなど、外圧や震災によって世情は不安定さを増していった時代でした。そして広重が没し刊行がひと段落してからわずか10年後、幕末の動乱を経た日本は元号を明治へと変えます。
 「名所江戸百景」は明治時代以降、すさまじいスピードで様変わりする直前の江戸の姿を切り取っているのです。画面の中に写し取られたすでに失われた風景、あるいは今も変わらぬ姿で残る景色は、現代の私たちに移り変わる都市の様子を伝えてくれます。

③ 摺りの美しさを楽しむ

 広重は30代半ばに風景画のジャンルで頭角を現しはじめ、有名な保永堂版「東海道五拾三次」のヒットによって売れっ子絵師となります。以後、62歳で没するまで第一線で活躍を続けました。そして亡くなる安政5年(1858)までの足掛け3年が、「名所江戸百景」の制作に費やされました。江戸の町を「百景」描くという試みは、これ以前にはなかったものです。年を経てなお衰えることのなかった広重の制作意欲を知ることができます。現代の私たちにも馴染み深い名品を多く含む「名所江戸百景」は、まさに風景を描き続けた広重の晩年の大作であり画業の集大成と言えます。

② 描かれた幕末の江戸

「名所江戸百景 京橋竹がし」
              【前期展示】
銀座方面から眺めた月明かりの下の京橋。

 浮世絵版画では彫りや摺りにも工夫が凝らされます。たとえば色を用いずに、摺る圧力で和紙に凹凸を付けて立体感を付ける「から摺り」など、さまざまな技法が生み出されました。「名所江戸百景」は、手間のかかる技が惜しげもなく用いられた贅を尽くしたシリーズとなっています。
 太田記念美術館所蔵本は保存状態が良好で、摺りも絵師・広重の意図が反映されたと思われる早い段階のものと考えられています。浮世絵版画ならではの魅力も是非お楽しみください。

●「名所江戸百景 する賀てふ」
            【後期展示】
 駿河町からの富士の眺めは江戸一番と賞された。道の両側に描かれるのは三井越後屋(現在の三越)。

● 展覧会の図録は作成いたしません。

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